劇団あとの祭り 上演台本     ペリカンは寝ている 作/中島充雅       登場人物 フラミンゴ王 フラミンゴお后 ハゲワシ大臣 ライオン王子 ナイト1…ミッドナイト ナイト2…オールナイト ナイト3…セクシーナイト 進行係 インコ神父 魔法使いヴォベボデウバァ メイド1…オーダーメイド メイド2…メイドイン メイド3…メイドサン        適当な時代、適当な場所、適当な国、適当な人 序幕 開幕。 「レクイエム」が王国を揺るがす。 そこは、フラミンゴ王が統べるフラミンゴ王国、王宮の間。 姫の葬儀たけなわ。       泣きじゃくる人。手足をバタバタやりながら嘆き悲しんでいる人。      天を仰いで灯体数を数えている人。 を、かき分けかき分け、さっきまで一緒に泣いていた進行係前に出る。 進行係 みなさま、それでは、インコ神父様より、お祈りの言葉、です。 全員 おー。 さっきまで一緒に泣いていた神父。前へ。 神父 神はすべての罪をお許しになります。私たちフラミンゴ王国の罪を、私たちの隣人の罪を、そして争える敵の罪でさえ、お許しになります。いわんや姫をや。(反語)いま姫は、長い長い眠りにつきました。だれもその眠りをさまたげることなく、姫が神のお膝元にたどりつけることを、みなでお祈りましょう。アーメン。 全員 アーメン。 まだ、しのび泣く声が… 進行係 弔文紹介。ハゲワシ大臣お願いします。 大臣 うっくっ。ひっく、それでは、おそれ多きかたがたから、姫様にたっくさんのたっくさんのお悔やみの言葉が届いています。うっ。よ、読みます。ま、まず、うっ、は、「若き命が旅立たれたことに、心からエールを送ります。」岐阜県、知事からです。 全員 /おーいおーい。(泣き叫ぶ人々) 大臣 遠く、東方の国、日本国首相からも来ています。「日本は生まれ変わります。だから姫様も早く生まれ変わってください。」うっ。 全員 おーい。おいおい。 大臣 続きまして、同盟国のライオン王国から、です。「そっちの姫と、うちの王子との婚約の儀、だめになってしまいましたね。だからまた、今度、一緒に戦争しようね。追伸、今、原爆開発中だよ。」(泣き叫びながら)やべー。 全員 おーい。おいおい。おーい。おいおい。 進行係、前にでる。 進行係 鎮魂歌。第5万2千3○1番。斉唱します。全員、ご起立下さい。 といっても、全員すでに立っている。前奏。神父指揮棒を持って前に立つ。       鎮魂歌。第5万2千3○1番。「みんなでうたおう。」 だい―――――― れーい―――――― かーいは――――――       (もう〜) やら―――――― な―――――― い―――――― の―――――― 進行係 全員、着席。 誰も座らない。 進行係 それでは、ペリカン姫様とお別れの時が近づいています。 音楽。忍び泣きが、すすり泣きへ。棺が担ぎ上げられ静かに動き出す。 進行係 ご出棺を前に、王様の言葉。フラミンゴ王国、フラミンゴ王様、よろしくお願いします。 全員 おー 王様とお后、前に進み出る。進行係、マイクを渡す。 王   本日は、忙しい中。お集まりいただき    ナイト達、飛び出す まして、誠に、有り難うございます。 私どもの娘、ペリカン姫もさぞかし     ナイト1 何の話しとんじゃ。 喜んでいることでしょう。あの子が     ナイト2 やめろミッドナイト、 他界してしまったあの日、私はちょうど、 落ち着け.。 犬の散歩に行こうとしていたんです。 犬の名前は、ペス。あの日はどうした ナイト23は1を押さえる。 ことか、長い糞をしました。そう糞なん      です。やけに今日は長細い糞だなあと ナイト1 離せオールナイトあいつを思って眺めていましたところ、なんと   切って俺も死ぬ。 それは文字だったんです。ほら、こう    ナイト3 気の利いた話をしようと やってこう。                     思って、話が長くなってるだけよ。    …                           ナイト3、抜剣 そう、ペリカン姫の「へ」だったんです。    ナイト1 セクシーナイト 私は思いました。犬は犬なりに何かを   ナイト3 やめて、ミッドナイト。 伝えようとしていたんだなーと。      ナイト1 なぜ、あんな元気な なあ、お前。                     姫が死なねばならん。 お后  あれは、不思議でした。 あいつらが殺したに決まっている。 王様  姫もこれで浮かばれることだろう 姫は、何事かの陰謀に巻き込ま 全員  浮かばれることだろう。 れていたんだ。                              ナイト3 ねえ、いつまでも死んだ人に こだわっちゃだめ。          ナイト1 えっ。 。   ナイト3 私をみて。            ナイト2 へー。                     ナイト1 つっこめよ。今の。 進行係 それでは、出棺です。 音楽。棺を担ぎ出し、移動が始まる。忍び泣きの声高まる。 ライオン王子の声 その葬儀、ちょっとまったー。 !慌てふためく人々。ナイト達、前へ出る。 馬の蹄の音。そして、馬のいななき。馬に乗って、ライオン王子登場。 舞台上を、ひとしきり走り回る。逃げまどう人々。 剣を抜いて、ナイト達、馬に乗った、王子を包囲する。 ナイト1 何者だ。 ナイト2 この場を何と心得ている。 ナイト3 姫の安らかな眠りを妨げるもの、我らがゆるさん。 ナイト達 僕ら、フラミンゴ王国/ ラ王 テーイ。 ナ達 うわー ラ王、ナイト達をなぎ払う、なぎ払われるナイト達。 ラ王 その、眠りを覚ましに来たのがオレだ。 ナ1 なに。 王 おお、これは、ライオン王子ではないか。 ナ1 えっ。 全員 ライオン王子。 ナ3 それって。 ナ1 ライオン王国の婚約者。 ナ3 姫の婚約者よ。 ナ2 略して…ラ王 全員 ラ王ー。 ラ王子 略すな! メイド達 きゃー、ライオン王子様だわー。 ラ王子 やー君たち。元気。 メイド達 きゃー。 メイド1 お水です。 ラ王子 ああ。 メイド2 タオルです。 ラ王子 どうも。 メイド3 おからです。 ラ王子 ありがとう。 大臣 何をしとるかメイド達。 メイド達 あーん。 大臣、メイド達をなぎ払う、なぎ払われるメイド達。 大臣 これはこれは、ライオン王子殿。本日は、姫の葬儀に駆けつけてくださいまして、誠に誠に、ありがとうございます。姫の霊も喜んでいることでしょう。 ラ王 んー、愛するベイベイのためなら、おれっち、愛する/ 大臣 だがしかし。我がフラミンゴ王国と ラ王 聞いてねー。 大臣 貴殿のライオン王国は今や敵国であれます。貴殿と姫との婚約は、姫の死によって破談になり、同盟国解消を謳ってきてのは、貴国の方ではなかったか。 ナイト達 そうだそうだ。 大臣 貴国では、原爆作っちゃてるってかー。 ラ王子 テポドン。 大臣 どの面下げて、ここにきとんじゃー。 ナイト達 そうだ。 ナ1 ここで血祭りあげてくれる。 全員、非難の声。ラ王子を取り囲む。ラ王子怒る。 ラ王子 じゃかましい。 雷鳴。ゴロゴロゴロ。みなとまどう。 ラ王子 おまえら皆殺しだ。 ナ3 あっあれはうわさの。 ナ2 ライオン王国最強の剣 ナイト達全員、抜剣。メイド達、西洋の宗教絵画のように逃げまどう。 ラ王子 ライオンのたてがみー! 背中のどでかい剣を抜く(ベルセルクくらい) 抜けない。 ラ王子 ふん。…あれ。あれ。 間 ラ王子 …ライオンのたてがみー、ふん…国の政治と俺の愛とは関係がない。 ナイト達剣を納める。 ラ王子、メイド達、大臣を押し分けて、王様の前へ。かしづくラ王子。 ナ1 …誰かつっこめよ。 ラ王子 フラミンゴ王。わたくしめライオン王子、お耳に入れたきことがあるやなしや。 王様 ふむ何かな。 ラ王子 この地に1000年前からつたわる、貴国と我が国の深き森に実際に存在した「眠りの姫」の伝説をご存じか。 王様 うむ、微妙に。 ラ王子 その伝説によると、醜き魔女の呪いによって、死よりも深い眠りについた美しき姫は、深き森の中で、彼女がかつてもっとも愛した男性の接吻によって、再び目を開けたという伝説。 王様 ほう。 ラ王子 王よ。ペリカン姫は死んでいません、生きています。 全員 何。 ラ王子 そして、愛する男性の口づけを待っている。 ラ王子、棺に近づく。ナイト1、抜剣。 ナ1 この期に及んで、姫を汚すことはゆるさん。 ラ王子 どけー。 后 王子よ。姫は死んでしまったのだ。 ラ王子 だまれー。 間。 王様 だまれとは/ 大臣 無礼であるぞ ラ王子 シー。 間 いびきが聞こえる。 王 このいびきは。 ラ王子 愛するベイベイの寝息だ。 全員 おー。 全員、棺に注目。 棺のそばの進行係がたったまま寝ている。 ライオン王子、抜いた剣で切る。 進行係 うぐお。あっ、もう、おわり。 ライオン王子、進行係を切る。 進行係 ぐわあ。 進行係、たおれる。 みんな目線で「しょうがないよね」という感じ。 神父なんか小さくうなずきながら、拍手している。 ラ王子、棺に近づく。 大臣 これで、戦争は未然にふさがれた。 王 うむ。 魔女 いっーひっひっひっひっひ。 なんと、進行係が起きあがる。魔女がとりついているのだ。 王宮内に、魔女の声は進行係の口パク。おそれおののく人々。 ナ1 何だ。 ナ2 この声は魔女の声だ。 ナ3 まさに、コテコテの展開だ。 ラ王子 誰だ。 ナ1 どこのどいつだ。 魔女 私が誰かしりたいか。 ラ王子 知りたいぞ。 魔女 私は通称、ヴォベボ・デゥバァという魔女じゃ。正式な名前は、ヴボベボ・ラフブケ・ンカンナ・マドラゴ・ハキクナニ/ ナ1 早く用件を言え。 魔女 イーヒッヒッヒッ、おまえ達の言うとおり、ペリカン姫は、寝ているだけさ。しかし、姫が目覚めることは決してなーい。 ラ王子 それは、おれじゃだめだってことか。 魔女 だめー。 王と王女、棺に走り寄り、開けようとする。 王 あっ空かない。棺が空かない。 后 開けなさい。これ、何をぼさっとしているのです。ものども開けなさい。 泣きじゃくる后。 人々、開けようとする。再び、魔女の高笑い。 ナ1 お前、うるさいぞ。 小さい声で、笑い声。 ナ1 誰かつっこめよ。 魔女 その棺には魔法をかけた。 全員 えっ。 魔女 棺の外側からは決して開けられぬ魔法をな。 全員 なんと。 魔女 つまり、姫に口づけするためには、姫が自ら目覚めねば、決して、その棺を開けて、元の世界に戻ることはないのだ。しかし、姫は、自ら目覚めることは決してない。ふん。 魔女ひらりと身をかわす。ナイト123の剣をむなしく空を切る。 ナ3 おそろしく、身軽なやつ。 魔女がとりついた進行係、変な動き。 魔女 イヒヒヒヒヒヒ ナ1 しかし、おまえを倒せば、魔法は解け、棺は開くということだな。 ナ2 我ら、フラミンゴ王国。ブラックナイト3銃士。 ナ3 この剣にかけて、巨大な悪をうち砕く。 ナイト達 必殺、フラミンゴ徹夜三重殺。 進行係 でも、ぼくをやっつけても、だめだとおもうな。だってさ、本体は、べつのところにあるんだから、みんなで、本体をたたかないとね。 ナイト達 あっ。 ラ王子 本体はどこだ。 進行係 いいところに気がついたね。あそこ。 全員、進行係を指さす方をみる。 舞台後ろにある窓っぽい空間を、箒に乗った魔女の人形が浮かんでいる。 王様 おえー、追うのだー。 全員、魔女の漂っている空間あたりに走り出す。黒山の人だかり。 ナイト1はふと静かに振り返る。妙に、回想っぽく。 ナ1 僕は、王宮の人たちと一緒に、城を出て、そのまま一気に町に走り出た。外は、今にも泣き出しそうな天気で、箒にまたがった魔女は銀色の点になって、今にも消えそうになっている。僕は走りながら、中学校生活最後の体育祭を思い出した。徒競走。借り物競。障害物競走。僕たちは様々な競争をした。そして玉入競争。僕たちの玉が、放物線を描いて、青い空に吸い込まれていく。そして、玉を拾う君の手に僕の手が触れた。君の名前は、ブロードヌフ・ゴ・ペリカン。我が国の王女。それが、親衛隊に入隊を希望した僕のきっかけだ。       黒山の人だかり、そのまま消えていく。 長い序章終わり。       第一幕 ナイト1のセリフ中に、全体は溶暗する。全員去る。メイド3が絵本を読みながら語り出す。 メイ3 さて意味ありげな長台詞が終わったところでさあ大変。悪い魔女はどんどん空を飛んでいきました。 魔女 うーひゃひゃひゃひゃ。うーひゃひゃひゃひゃ。この箒は光のスピードで飛べるぞい。       魔女人形は袖から現れる。人形を操っているのは、魔女デゥバァ。       人形をもった、役者達はそのまま、デゥバァを追いかける。 メイ3 お城の人たちの追跡もむなしく。 役者達の声 まてー。 メイ3 魔女は調子こいていました。 魔女 うーひゃひゃひゃひゃ。うーひゃひゃひゃひゃ。 箒に乗った人形を持ったナイト達が現れる。 ナ達 まてー。 魔女 なんと。おまえ達は何者だ。 ナ達 われら3人ペリカン王国の メイ3 ハリーポッターでした。 魔女 えっ。 ナ達 クデッチやろうよ。 全員 わーい。 メイ3 みんなグリフィンドールでした。 ナイ2 ハリー、銀のスニッチを捕まえるんだ。 魔女 よーし、あっ、だめだ、箒が言うことを聞かない。 メイ3 魔女の箒は地面に向かって真っ逆さま。絶体絶命のピンチ。 ナイ1 よし作戦成功だ。 魔女 おのれー。 メイ3 すると、西の空から、怪しげな雲が追いかけてきます。 キントウンの人形を持った神父が現れる。 ナイ3 何、あの雲は。 魔女 やった悟空が助けに来てくれた。悟空ー。 全員 えっ。 メイ3 雷様でした。 神父、高木ブーのオプションを付け、マンドリンを弾きながら去っていく。 魔女 阿―――――――、助けてー。 メイ3 魔女は死を目前にして今までの人生を反省します。 魔女 風呂上がりのジュースはデブのもとだった。 全員 えっ。 ナ1 今行くぜ。 ナ2 えっなんで。 ナ3 ミッドナイトー。 ナ1 うわー。 魔女 わー。 ナイト1、魔女を抱きかかえる。 バシュ(キャッチ音) 生還者二人。歓声。拍手しながら出てくる人たち。 ワールドカップ的なテーマ。 口々に「おめでとう」「よかったね」「ありがとうありがとう」 音楽、拍手ストップ 大臣 助けちゃだめじゃん。 間。 ナ1 あっ。 魔女 あっ。 大臣 あっじゃないでしょ。 魔女 あっそっか。ごめんなさい、あたしばかみたい 大臣 ばかみたいじゃないでしょ。勝手に二人で盛り上がってるでしょ。 ナ1 すいません。 大臣 あんた重罪人なんやよ。うちのお姫さんに魔法かけといて、箒乗って逃げたやん。 魔女 はい。 大臣 それして、みんなであんたのことおいかけてあれしたやん。 魔女 はい。 大臣 それが何でみんなして拍手して喝采で戻ってこれるの。おかしいんとちゃう。 魔女 すいません。私。私。 大臣 泣かんといて泣かんといて。 ナ1 ハゲワシ大臣殿、この子ばっかりり攻めないでください。彼女なりに一生懸命だったんだと思います。 大臣 あんたはだまっとき。 ナ1 でも。 大臣 あんたらは、廊下のワックスがけや。 ナイト達 え。 大臣 連帯責任や。 ナ1 そんなー。 魔女 ごめんね。 大臣 みんなかんかんやで。 魔女 はい。 大臣 ええか。かんかんなんやで。 魔女 はい。 王の声 今日はその辺でいいじゃない。 大臣 この声は。王。 全員 お――――――― 王様達登場。王妃と王と神父とメイド達とナイト達の豪華な登場。 メイド達は棺を掲げてくる。そして、適当な場所に棺をおく、王妃はその棺に泣き伏す。神父慰める。登場シーン終了。ナイト達。後ろで、ワックスがけ。メイド達も泣いている。メイドサン絵本を読みながら。 メサン こうして、わるい魔女は、お城の人たちにとうとう捕まってしまいました。 大臣 魔女よ。 魔女 はい。(いつの間にか正座している) 大臣 ここにおらせられる方は、我がフラミンゴ王国、第14代フラミンゴ王ぞ。 魔女 はい。 メ2 私はいままでに、3人の王に仕えたが、その中で一番お優しく、朗らかな王だ。 魔女 はい。 大臣 王様の心は空よりも高く海よりも深く、我々凡人では計り知れず。 魔女 あたしの罪も許していただけるのですか。 大臣 我が王の前では、大船に乗った気持ちでよい。 魔女 はい。 大臣 さあ、王の言葉に耳を傾けよ。 魔女 王様、私は。 王 死刑です。 全員 えっ。 王 それか打ち首。あっ、ごめん魔女狩り。 大臣 殺してどうするんですか。 王 もういいもん。 大臣 何が。 王 まいてこ。 大臣 何で。 ラ王登場、全長2.3メートルくらいの剣を持っている。 間。 ラ王 ライオンのたてがみー。 全員 うわぁ―――――――。わー。わー。わー。 メ達 きゃーきゃーきゃー。 神父 危ない。危ない。危ない。 后 神父様。神父様。神父様。 などなど。 ラ王は、スローモーションでライオン王国最強の剣を振り回す。 みんな、スローモーションで、かわす。 メサン ライオン王子、略してラ王は怒ってしまいました。なぜって、このわるい魔女を殺してしまったら、姫の呪いは一生とけないから、姫と僕は絶対絶対結婚できないじゃないか。新婚旅行で、姫とあんなことしたり、姫とこんなことしたりする予定だったのにー、にー、ってライオン王子はスローモーションで、今日はまいていこうとする王様にささやかに抵抗するのでした。 ラ王 義理のお父さん。義理のお父さん。義理のお父さん。 振りかざす剣。 王 義理の息子。義理の息子。義理の息子。 ラ王 ダぁダぁダぁダぁダぁダぁ 王 オゥオゥオゥオゥオゥ 王、真剣白羽取り。失敗。王冠で剣は止まる。ガキン。 拍手。ナイト達、そのころ、ワックスがけが終わる 王 真剣……取り。 大臣 飛ばした。 王 結婚は、…だ。 ラ王 いっぱいいっぱいしょ。 王 微妙だ。 魔女 あーもー、一瞬でもー。 全員 む。 魔女 人間を信じた私が馬鹿だったよ。くらえ、我が呪文、血の契約により命ずる、出よ忌まわしきもの達、森の守護神の友達の森の熊さんと大工の源さんに命ずる七つの近いとカレーのシミと天と地の間にさまよう2千円札と小泉光太郎、高村光太郎と俵光太郎… 神父 いかん、呪文だ。魔女の攻撃が始まった。 ナ達 何ー。 魔女 世界不思議発見の野々村誠と曙の胸板に埋める7つの鍵の在処を記せ、ナンシー関… ナ1 これが呪文なのか ナ3 聞いちゃだめ。 ナ2 心を奪われるぞ。 神父 みんな逃げろー。聞いてはならん。 メサン さあ、大変です。怒った魔女は呪文を唱え始めます。呪文をすべて、唱えられたら最後、みんな、かえるとか、へびとか、野村幸代にかられてしまいます。 全員 きゃー。 ナ1 みんな逃げろ、ここは俺達がなんとかする。 ナ2 俺達の達って何だ。おれは ナ3 それはあなたと私のことね。 ナ2 あっ、こんな所に野村幸代が。ター(切る) ナ3 アー。(切られる) 神父 天と地の間にさまよう2千円札と小泉光太郎、高村光太郎と俵光太郎 全員 えっ。 神父 ここは私が、全能なる神の力できゃつの呪文を 大臣 はねかえすってか。 神父 全能なる神の前でひれ伏せ。野々村誠と曙の胸板に埋める7つの鍵の在処を記せ、ナンシー関… メイド あー、神父様。 神父 青山ちはる松本まりな原田ひかり立原友香東清美村西とおる 魔女 松本まりな原田ひかり立原友香東清美村西とおる白石ひとみ葉山レイ子 ナ1 どっちの呪文が先に終わるんだ。 ラ王 それは、早口言葉が得意な方の勝ちだ。 神父・魔女 赤巻紙青巻紙黄巻紙東京特許許可局はかえるぴょこぴょこぴょこみぴょこぴょ魔女こあわせてぴょこぴょこぴをょこみぴょこぴょこ ナ1 どっちの勝ちだ。 魔女 蛙の 神父 蛙の 魔女 うたがきこえて/くるよ 神父 /うたがきこえてくるよ 全員驚く。 魔女 ぐわぐわ、/ぐわぐわ 神父 /ぐわぐわ、ぐわぐわ 大臣 かえるのうたが 全員さらに驚く。だけど、みんないつの間にか輪唱していく。 一番最期は王。 王 ゲロゲロゲログワグワグワ。 后 …王様。 王 げろげろ。 神父 私の、負けだ。 大臣 王様ー。 王 げろげーろー。 大臣 王様ー。 王様、蛙跳びで、メイド達に襲いかかる。逃げまどうメイド達と王と共にそのまま退場、それをおって、大臣と后も退場。 神父 くっそー。私の負けだー。 ナ3 泣かないで、あなたが泣いたら、私たちまで。 神父 負けは負けなんだ。 ナ2 勝負は過程じゃない常に結果、結果なんだ。 ナ1 くっ。 魔女 でも、いい試合だったわ。 ラ王 そーだぜー。 全員 えっ。 魔女 私も一時はどうなることかと思ったもん。 神父 えっ。 ラ王 そうだよ。俺達はそんなおまえ達みていて、ちょっぴり感動したんだぜ。 ナ2 本当かい。 魔女 ホントよ。 ラ王 さあ、今日はみんなが主人公だ。 神父 ありがとう。 ナ3 よかったね。神父さん。 神父 うん。 魔女 じゃあ、私、夕刊の新聞配達があるから。 ラ王 ああ。 魔女去る。間。 ナ1 誰かつっこめよ。 全員 あ。 ラ王 今日はみんなが主/ ナ1 あんた何。 ラ王 うん。 ナ1 うんじゃねーだろ。まじかんべんだろこれ。 ラ王 おのれー俺の新婚旅行。 ラ王退場、神父とナイト達も退場。メイド達集まってくる。 メサン 魔女を取り逃がしてしまった、お城の人たちは、魔法を解くのをあきらめて実力行使に出ました。バールでこじ開けたり、鋸をかけたり、ハンマーでたたいたり、最終手段、ダイナマイトでスイッチオンしたけれど。 メイド達、爆薬セット。 メ1 伏せろ。 メ2 点火。 爆発。 メ達 ゲホゲホゲホ。 メイド達、棺の周り集まる。 メ2 もーいいんじゃない。もうかろうじてプロジェクトエックスじゃない。私たち。 メ3 私、中島みゆきのイントロ始まってます。 メ2 もうこのへんから、グラデーションで中村敦夫じゃない。 メ3 まあちょうどええ時間ですし。 メ1 もうかえるんですか。 メ2 何、これからどうするの。 メ1 火薬の量を増やしましょう。 メ23 えー。 メ1 それでもだめだったら、ライオン王子様に頼んで、フラミンゴ砂漠で核実験。 メ23 えー。 メ1 ていうのはやりすぎですか。 メ23 うん。 メ1 はい。 メ2 じゃあ、道具片づけて、帰りますか。 メ1 はい。 メ3 あっ、この起爆装置。 メ1 はい。あの。 メ2 何。 メ1 ペリカン姫様、今何やってんでしょうね。 メ2 何。 メ3 えっ。 メ2 何って寝てるじゃん。 メ1 じゃなくって、やっぱり夢とかみてるとおもうんですよ。 メ2 ああ。 メ3 夢ね。 メ1 どんな夢を見るんでしょうね。 メ2 そりゃ、もろ王子様が助けに来る夢でしょ。 メ3 もろね。 メ2 もろだし王子。 二人 はははははははは メ2 もろだし 二人 はは… 二人とも寂しくなる。メ1先に去りかける。 メ1 あのお、私今思ったんですけど。 メ2 あっ。 メ1 お姫様、自分が寝ているって気づいているんですかね。 メ2 えっ。 メ1 寝てるときって自分が寝てるってあまり気づかないじゃないですか。 メ2 ああ。 メ1 だから何ってわけじゃないですけど。 メ2 まあ、あまりいい夢は見てねーだろうな。 メサン 姫が永遠の眠りについたその夜。ナイト達は魔女の再襲撃に備えて、徹夜の番につきました。 ナイト達、棺の周りの警護に就く。フクロウの鳴き声。オールナイトとセクシーナイトはしゃべくっている。ミッドナイトは黙り込んでいる。 ナ2 一般的にさ、女の人っていうのは、好きな人が出来ても、自分からスキっていう人ってさ、少ないじゃない。 ナ3 うん。 ナ2 つまり、逆に言うと、女の人は、相手の男性に、自分を好きにさせて、こくらせるっていう感じの人が多いんじゃない。 ナ3 あっそっか。でも、それって、 ナ2 そうそう、でも仕事一途で、恋愛われ関せずていう男を好きになったとすると、 スキっていわせられるわけがないし。 ナ3 そうなのよねー。 ナ2 またさあ、堅物男に限って、自分からスキって言ってくる女は、なんか軽い感じがするじゃない。 ナ3 じゃあどうすればいいの。 ナ2 だから、もっと身近に、君のことを見つめている男だっているってことだよ。 ナ3 … ナ2 だから、もっと身近に、君のことを見つめている男だっているばってんだよ。 ナ3 日本語へん。 ミッドナイト、抜刀。 ナ2 どうした。 ナ3 ミッドナイト。 ナ1 姫…起きなさい。 ナ2 そりゃ無理だろ。 ナ1 起きろ。 ナ3 えっ。 ナ1 起きろ起きろ起きろ―――――――。 ナ2 おい。 剣を棺にたてる。あわてて、抜刀のナイト達、剣をなぎ払う。 ナ2 何を。/ ナ1 /おふざけがすぎますぞ。おきなさい。姫。姫。狸寝入りっしょ。 ナイト達 えっ。 ナ3 なんだって。 ナ2 狸寝入りだと。 ナ1 今俺は気づいた。 ナ2 何を。 ナ1 無理だろあんな長い呪文を唱える暇なんかどこにあるのだ。我々が毎晩こうやってずっと警護してきたんだぞ。 二人 あっ。 ナ1 それにペリカン姫と言えば、あれだ。 ナ2 ああ、フラミンゴ王国をおいて右に出るものがいない。 ナ3 いたずら好きのお姫様。 ナ1 つまり姫は魔法などかかっていない。姫。聞こえているでしょ。でて来なさい。 間。ちょっと長め。 ナ1 でて来なさい。でて来なさいったら出てきなさい。棺を破壊する。 ナ3 どうやって。 ナ1、真剣な顔で独特の構え。 ナ2 フラミンゴ王国最強の剣ね。 三人、剣を振りかざす。 ナ1 行くぜみんな。 三人 おう。 円陣を組んで、棺を包囲、 三人 フラミンゴ徹夜三重殺。 ラ王 ちょっと待ったー。 三人 何。 ラ王 (唄、適当に演歌っぽく)ららら〜ららら〜ららららら〜ららら〜ららら〜ららららら〜人気者。 ナ2 歌詞は。 ナ1 人気者ってなんだ。 ラ王 婚礼の儀を前にした、おれっちの愛するベイベイにやいばを突き立てるとは、どおいうことだいー。んーボタンおそかー、んー。 ナ1 お待ちください王子様。 ナ2 われわれはライオン王子にお話があるのです。 ナ3 どうか心を静めて、お聞きください。 ラ王 どおした。 ナ1 姫は、寝たふりをしているのです。 ナ3 姫は、狸寝入りをしているのです。 ラ王 狸とはなんだ!狸とは! ナ2 そこでつっこむのか ラ王(棺に向かって)ベイベイんー。 君のことを狸っていうブスがいた       ナ1 とにかく、このままじゃだめだ。 から、今突っ込んどいた。なぜ、       ナ2 大臣に知らせよう。 君は僕に黙って、こんな狭い箱の       ナ3 いきましょう。 中にいるんだい。んーわかってる よ。君は、僕の愛を試しているん        三人去る。 だろー。大丈夫心配いらないぜ。    今でも、俺の周りは女達で黒山の    大臣王様。お后様。 人だかり、だけど。君は僕の心の 草原に立つ、たった一本のひまわ       大臣去る、ナイト達通り過ぎる。 り、そして、僕は、ひまわりにま       神父が来る。そして、通り過ぎていく。 どわされる、かわいそうな、ミツ       そして、全員が来る。全員集合系 バチなんだ。ミツバチは、巣箱を   飛び立って、君のにおいに誘われ       全員… る。 ラ王もその集合にあつまる。 大臣 みなさま姫様が大好きなことをやりましょう。 王 姫を起こしたら、全員に褒美を取らす。 全員 お――――――― 王 姫は、パティーが大好きだ。 大臣 かんぱいしましょーう。 全員 かんぱーい。ごくごくごく。ぷはー。 メ1 あー、ブタの丸焼きだ。 全員 わーいわーい。 メ2 あー、七面鳥のまる焼き。 全員 わーいわーい。 神父 あー、犬のショウガ焼きだ。 全員 わーい。わーい。后 ぺーすー。 王 姫は、サッカーも大好きだ。 大臣 サッカーしましょう。 全員 オレーオレオレオレ。       ラ王ゴールキーパー、ナイト達がフォワードのシーン。 王 その中でも、特に野球      センターリング。シュート。       が好きでなあ。                    全員かっとばせ。かつとばせ                                       ラ王バッター、ナイト達守備、                    予告ホームラン。                    メ2大リーグボール1号ー。 王 だから、姫と二人でよくカバティに行った       カバティがはじまる。 全員 カバティカバティカバティカバティカバティ 魔女もいつの間にか、参加している。魔女、得点に成功。 全員、盛り上がる。間。 魔女 …カバ 騎士達、抜刀。 魔女 あたし、箒で空を飛んでいたんだ。あたしずいぶん遠いところから、飛んで来たんだよ。星の光が雨粒みたいに降り注ぐなかをさ、光の粒を追い抜いてきたんだ。で、気が付いたらこのお城のてっぺんでさ、塔のベランダで、この姫さんにあったんだ。お姫さん、泣いていてさ。もうベランダが涙で水びだしでさあ、あたし、すべってこけちゃったよ。いたかったの、でいったの、出しすぎだろ涙。そんなに出したら、脱水症状でしぬぞって。で、そばに、やかんおいてあってさあ、やかんの水飲みながら、お姫様泣いてるの。おかしくない。なんか。だったら、最初からさあ、この水をベランダにまこうよってさあ。 やかんの水をまくマイム。ふと、姫の視線に気づき、姫の気持ちをなんとなくくみ取って、少し笑う。 魔女 やっと、泣きやんだね。どうして、そんなに泣いてるの。何がそんなに悲しいの。…別にいいたくなかったら言わなくてもいいよ。…うん、魔女だよあたし。…・・ああ…そうなんだ…いいよ。目を閉じて。うん。 魔女、手を構える。 大臣 貴様そこで魔女の呪いを。姫に。 魔女 うん、でも、あたしの呪文が終わる前に、あの子ぐうぐう寝ちゃったの。ちょっとショックみたいな。 全員 えっ。 大臣 何ー。 メ1 じゃあ姫は。 ナ1 いったいどういうことだ。 大臣 寝てるだけでしょ。いつか起きるんでしょ(棺に)姫。姫。 魔女 だから姫は、自分から寝たのだでもう泣かんし。そしてもう起きんよ。 大臣 なんで。 神父 よほど悲しかったのです。よほどつらかったのです。それが何かわかりませんが、寝ることで、姫はご自信の心の中に逃げ込んだのです。 ナ2 でもさあ。 ナ1 なんだ。 ナ2 何がそんなに悲しいよ。 全員 んー。 メ2 だって、結婚前の娘がねえ。 全員 ああ。 ナ3 あっ、だから結婚するのが嫌だったんじゃない。 メ1 それって結婚相手が嫌だったってことですか。 全員、ラ王を見る。ラ王、携帯を耳にする。 ラ王 あっ、パパ、原爆発射。うん、破談になっちゃったから、じゃんじゃん。ね。しかも早めに、ね。 全員で、取り押さえる。そして取り上げられる携帯。大臣が携帯に平謝り。 ラ王 (かわいく)あーあーあーあー。 魔女 なんで泣いていたかは、姫に直接聞かないと、誰にもわからないよ。 ラ王 おまえは聞いているのだろう。 魔女 知らないよ。なら自分で聞けば姫に。あんたなんで泣いてんのって。 ナ1 そんなこと、寝ている人間にどうやって聞くんだ。 魔女 簡単。姫の脳に行って、姫の心に聞けばいいんだ 大臣 姫の心。 魔女 魔法でさ。みんな姫の脳にいけば。 全員 えっ。 魔女 脳の中で、姫なぐさめてやれば。はい、行く人、この指とまれ。 全員 (全員、ゆびにとまる。)ゆびきりげんまん、嘘付いたら針千本飲ます。指切った。 ナ1 で、いつ行くんだ。 魔女 ついたよ。 ナ1 はっ。 魔女 ここが姫の脳だ。 全員 えっ。 そこは同じ部屋。       第1幕終わり       第2幕 魔女 こっちが右脳、こっちが左脳。 全員 えっ。 魔女 この辺りが脊髄。 全員 えっ。 魔女 あっ、見て、姫のニューロンが咲いてる。 でも、それは、魔女の手、したがって、ナイト達抜刀。 魔女 (ニューロン君の声で)やべえ、みんな怒った〜 ラ王 ライオ…ライオ… ラ王はまた剣が抜けない。従って、ナイト1の剣で。 ラ王 真実ソード。 魔女 ひらり。 ラ王の剣、地面に刺さる。魔女かわす。 メ達 ラ王様〜 ラ王 貴様のいうことはすべてでたらめだ。 魔女 (ニューロン君)死ぬととこじゃった。 ラ王 想像して見ろお。今までのおまえのしてきたことすべてまやかしうそ偽り。 ラ王切る。 魔女 ひらり。 ナ2 加勢します。 ナ3 右に同じ。 ナ1 かえして。 ラ王 ここが、姫の脳だと笑わせるなー。 大臣 そうだ。 后 そうよ。 神父 えっ。 王 違うの。 ナ1 返してよ。 ラ王 ○×▲□〜 ラ王、ナ2、ナ3攻撃。魔女かわす。ナ1前転。 魔女 ひらり。 ラ王 想像して見ろ―――――――もしここが、姫の脳なら、そこは水平線まで続くレンゲ畑。 ラ王切る。魔女ひらり。 ラ王 そよ風は鳴り、牛は鳴き、妖精達は飛び交い。 また切る。ひらり。 ラ王 そして、飛び交う妖精達の顔はすべて私の顔だ。姫の周りをうふふうふふと笑いながら飛んでいるはずだ。 ナ2、ナ3、剣を落とす。后気絶する。 「うふふうふふ」とうわごとをいう后。メイド達介抱。 メイド達 お后サマー。 大臣 お后様〜 神父 想像しちゃだめです。私が付いています。 ナ23 … ラ王 何か問題が。 王 微妙に。 ナ1 ここが姫の脳なら、姫はどこにいるんだ。 ナ2 おい。 ナ3 信じるの。 魔女 あたいの話を信じるのかい? ナ1 信じる 全員 えっ。 魔女 うひゃひゃひゃひゃ。 ナ1 ペリカン姫の涙を見たこたのはあんただけだ! 魔女 えっ。 ナ1 姫は、我が国はおろか、近隣諸国にもとどろくいたずら娘。 大臣 これ、姫の前ぞ。 王 でも正解です。 神父 私の教育の失敗です。 王 あれは、たいそういたずらな姫でのう。 后 村一つ沈めて湖を作ったこともありましたね。 神父 そして、土建業者からたくさんの賄賂をもらい。 ナ2 あの時はやったもんな――――――― ナ3 国中でこんなうたが。 メ達 ムネオムネオムネオ―――――――。 ナ2 よく考えたら唄じゃなかった。 ラ王 そんな彼女に惚れた。 ナ1 だから、この国のことをよく知らないあんたが、姫が泣いていたというのは真実味がある。そして俺達はその涙の訳を知りたい。姫の本心を。それが、姫を救うことだ。 全員 お―――――――。 全員、拍手。照れるナ1。このとき剣を返す。 ナ1 ありがとう。ありがとう。 魔女 ひゃーはっはっはっはっ。 全員! ナ1 何がおかしい。 魔女 おまえ達は姫を救うことが出来ない。 全員 何。 魔女 姫を救うんじゃない。姫と戦うんだ。 ナ2 戦う。 ナ3 何で姫と私たちが。 ナ1 どういうことだ。 魔女 こおいうことだ。はぶしっ。 魔女倒れる。全員! 神父、聖書を開き、手を出している。 神父 姫の眠りを妨げるもの、上の御心により沈め。アーメン。アーメン。アーメン。 神父、頭にダッシュが着いている。 后 神父様。 魔女 後ろから聖水を、うわ、聖水だ。うわっくわっ。 神父。苦しむ魔女に聖水をふりかける。数回。 神父 おしおき。おしおき。 ナ2 ねえ。あの頭についているの何。ほら。 ナ3 あっ、あれ。 大臣 インコ殿。急にどうなされたのじゃ、ん、それは。 ラ王 (神父)レディを後ろから〜聞いてねー。 ナ1 大丈夫か。 魔女(棺にふらふらと駆け寄り)コラ、      神父 ん。  何でわしから攻撃してくるんじゃ。      大臣 それ。 この恩知らず。                   神父 ああ。 ラ王 んー愛するベイベイは夢の中でも      后  ポッケにはいってますわよ。 夢の中かい。                      大臣 おお。 魔女 そいつらは、姫に体を乗っ取られ      王  おそろだよね。  た偽物だ。                     王達、付け始める ナ2 えっ。                     神父 ダッシュですね。 ナ3 ダッシュって何。                 王  王様ダッシュ。 魔女 偽物の印じゃ。                 后  お后ダッシュ。                     神父 神父ダッシュ。                     大臣 大臣ダッシュ。 4人ポーズ。 神父 魔女の力を借りたとはいえ。よくここまで来た。 大臣 おそれ多くも。王国の姫。 后 その脳の中に土足で入り込むとは。 王 いやーんだ。 神父 去れ。ここは精神の迷宮であり。 大臣 閉ざされた王宮であり。 后 そして悲しみを身ごもる子宮から真実を引き出すとは。 王 ばかーんだ。 神父 くらえ。全能なるかみのちから。ガンダム。ガム。ラクダ。砂漠。ダムづくり。爆弾づくり。 ナ2 神父さん、それって、俺達に唱えているんですか。 ナ3 きいちゃだめ。心を奪われる。 呪文詠唱。 魔女 呪文のスピードなら負けないよ。 神父呪文の3ページ分を取り出す。 神父 4人でいえば、4倍速。 魔女 あっ。 神父 バスガス爆発。(これを后に) 后 バスガス爆発―――――――。 神父 バビブベボ 大臣 バビブベボビブベボバ――――――― 神父 ババンガバンバンバン。 王 ババンガバンバンバン。ババンガバンバンバン。ババンガバンバンバン。 全員 ――――――― 神父 ○×▲□。 神父 以上の言葉にリストラを命じる。 魔女 この呪文やばい。 4人 濁音。 魔女伏せる。そばにうっかりいたラ王に呪文が当たる。 ラ王 ババババババ―――――――ばー。 メ達 ラ王様――――――― ナ達 ラ王―――――――。 魔女 ごめん。 ラ王、倒れる。 ナ1 大丈夫か。 神父 はずしたか。もう一度。4倍速。 呪文、詠唱。 ラ王 たいしょうふた。いくせ。 ナ1 はっ。 魔女 リストラ魔法だ。彼はもう濁音が使えない。 全員 へっ。 ラ王 俺は伏見。 ナ2 不死身。 ラ王 針針ライオン禁句。 ナ3 ばりばりライオンキング 魔女 これを食らったら私は呪文が言えないよ。 ナ1 何。 ナ2 呪文が終わる。 魔女 まずいよ。 メイド達、魔女のたてになる。 ナイト達 えっ。 神父 以上の言葉にリストラを命じる。 メ1 私たちが メ2 盾に。 メ3 なります。 ナ1 なんで。 メ1 だって私たち メ2 あんまりその 4人 濁音。 魔力が、メイド達を襲う。 メ達 たいしてセリフありませんから―――――――。 メイド達、変化無し。会釈して、去る。 ナ1 ありがとう。 ナ3 でも、なんとか勝つ方法はないのか。 4人 ない。 魔女 ある。 全員 えっ。 魔女 怖い夢からどうやれば、目が醒める。 全員 ! 4人、逃げようとする。のを、メイド達がふさぐ。 王…ナイト1。后…ナイト3。大臣…ナイト2。 そして神父…魔女がほっぺたをつねる。 神父 どうしても、目覚めさせるのか。 魔女 どうして泣いていたのかおしえておくれよ。 神父 知ってはいけないし。 后 聞いてはいけないし。 大臣 見てはいけないし。 王 いってはいけないし。 4人、くるくる回りながら、しゃべりながら、そでに去る。 メサン こうして、にせものの王様達を力を合わせておいはらつた若者達は、これからのことを、本音を交えて、大人の話し合いをしました。 人形達出てくる。魔女、メ1、メ2、メ3。ラ王。 魔女…魔女人形メ1…ナ1人形メ2…ナ2人形メ3…ナ3人形 ラ王は人間性に裏も表もないから、人形はいらない。 人形達 わーい。 魔女 まじょでーす。 メ1 ミッドナイトでーす。 メ2 オールナイトでーす。 メ3 セクシーナイトでーす。 ラ王 ラ王でーす。 魔女 ねえみんな、さっきの戦いはこわかったでちゅねー。仲間だと思っていた、神父さん達があんな恐ろしい呪文で襲ってくるんですもんねー ナ1 ああ、危ないところだった。 メ1 おもわずおしっこちびっちゃった。 ナ2 ところで、これからどうするんだ、 メ2 もう時間外勤務だぜ。 ナ3 そうね、その事を考えましょ。 メ3 私たち公務員だし。 ナ1 どうすれば姫が目を覚ますかだ。 メ1 誰か考えてくれ。おれ馬鹿だから。 魔女 そうでちゅねー。 ナ2 まだあきらめないとは、さすが俺達のリーダーだ。 メ2 おれはもうかえりたいぞ。 ナ3 あなたはいつもまじめだから。 メ3 また、わたしとのデートの約束忘れてる。 ナ1 魔女よ、これからどうすればいいんだ。 魔女 それはでちゅねー、まず、ペリカン姫に体を乗っ取られないようにすることでちゅね。 ナ1 そんなことができるのか。 メ1 またちびったらどうすんだよ。 魔女 心を強く持てばよい。目的に向かって邁進すれば、姫に乗っ取られる隙間はない。 ナ1 邪念をはらえということか。 メ1 がんばるぞー。 ナ2 なるほどね。 メ2 おれまっさきにのっとられるよ。 ナ3 くじけそうなときもお互い励ましあえば。 メ3 最後はあなたと二人きりね。 ラ王 おれは今、大変なことに気づいたんだが、ここが姫の夢だって事は、俺の顔をした妖精がみんなを襲ってくる可能性もあるということだ。 ナ1 どうすれば、姫を目覚めさせることが出来るんだ。 魔女 ここは姫の夢の中でちゅよ。 ナ1 うん。 メ1 よくみるとかわいいな。 魔女 だから、姫がここで楽しい夢を見ることが出来れば、姫は悲しい眠りから解放されて目が醒めるはず。 ナ1 なるほど。 メ1 おまえあたまもいいな。 ナ3 ということは メ3 私たちが、姫の夢の登場人物になって。 ナ2 幸せな夢をみせれば メ2 姫は目覚める。 ナ3 どんな物語がいいんだろね。 メ3 やっぱあなたと私の無人島で、うふ。 ナ1 そうだな。 ナ2 さあみんなで考えよう。 メ2 もう、やっつけでいこやっつけで。 全員 うーん。 ラ王 みんなラ王が主人公で考えてくれ。 全員 う―――――――ん。 メ3 ペリカン姫様は、おとき話がたいそうお好きてこざいました。 全員 えっ。 ナ1 おとぎ話。 メ3 私は、いつも、姫様の枕元て、こ本をお読みする係てす。姫様は、最後にお姫様が幸せになるおとぎ話がたいそう好きであられました。 メサンから魔女に物語の本を渡す。魔女読み始める。 魔女 昔々あるところに、王様とお后様がいました。お二人は、長いこと、子宝に恵まれず、王様とお后様は毎日のように神様に頼んでいました。 王…ナイト2  后…ナイト1  姫…ナイト3 妖精1…メ1  妖精2…メ2  妖精3…メ3 悪い妖精…ラ王 魔女…語り部。 ナ1とナ2の二人柏手を打つ。 二人 どうか元気な子が産まれますように。 ナ1 どうして僕たち子どもが出来ないんだろう。 ナ2 さあ、そんなことわたしにいわれても。 ナ1 毎晩あんなに頑張っているのにね。 ナ2 そうね。 魔女 そんなかわいそうな二人の間にとうとう、子供が産まれました、どうしてでしょう。 二人 さあ、どうしてでしょう。 ナ2 あなたー。 ナ1 おまえー。 ナ1 だめだー。 ナ2 えっ。 ナ1 おまえが、お后かよ。 ナ2 わたしが、お后よ。 メ1 (くじを持っている)お后役わたし。 ナ3 おまえそおいうケがあったのか。 若者達出てくる ナ2 だって。 ナ1 だってじゃない。 ナ2 体が勝手に ナ1 どおいう体だ。 ナ2 こおいう体だ。 ナ2頭にダッシュをつける。 全員 あっ。 ナ3 はや。 ラ王 きさま。 ナ2 オールナイトダッシュ。 魔女 ここにも姫の魔の手が。 ナ1 このままじゃ、ストーリーが続かない。 ナ3 もうおとぎ話を終わらせるつもりなんて。 ナ2 さすがだ。 メ1 つねりましょう。 魔女 やめな。もうストーリーは始まってんだ。そんなことをして、登場人物をいきなり減らしたら、姫の思うつぼだよ。 メ達 あっ。 ナ2 さすがだ。 メ1 じゃあ。 ナ3 どうするのよ。 魔女 あたしにまかせな。 ナ2 何。 魔女 「眠れる森の美女」というおとぎ話では、子どもが出来ない王様とお后は、子供を作るために、世界中の温泉旅行にいったり、願掛け旅行に行ったり、巡礼旅行に行ったり、とにかくあらゆるエッチ旅行を試したりしたんだけど、全然、だめだったんです。それは、二人の愛が禁じられ愛だったから。 長台詞中、袖に戻る。 ナ1 おまえー、おまえー。産んだぞ。おまえのかわりにわしが産んだぞー。 ナ2 えっ、すごいじゃないのあなたやればできる、うむわけねー(殴る) ナ1 (殴られる)ごめん。実はおまえにだまって。そこの角で製造したんだ。 ナ2 えっ。 ナ3出てくる。 ナ3 ほぎゃあほぎゃあ。 ナ2 でか。 ナ3 ほぎゃあ。 ナ1 しかも、全身メカなんだ。 ナ2 えっ。 ナ3 がしゃん。がしゃん。 ナ1 メカならいいだろ。 ナ2 そうかな。 ナ1 しかも無理な注文を聞いてくれないと、目から、ビームがでる。 ナ3、ナ2を泣きながら、目から光線で攻撃。 ナ2 きゃー。きゃー。 魔女 なんと赤ちゃんはメカだったのです。これなら禁じらた愛でも大丈夫。 ナ1 こんなメカ赤ちゃんだけど、僕たちのメカ赤ちゃんだよね。 ナ3、ナ2を泣きながら、目から光線で攻撃。 ナ2 わかったわ。私たちのメカ赤ちゃんよ。 ナ1 よーし、今夜は国中でお祝いだ。王の姫の誕生だ。 ナ2 くっそー。 お祝いの歓声。 魔女 その夜は、メカ赤ちゃんの誕生を祝って、お城で盛大な宴が広げられました。そして、その国の三人の妖精がよばれ、メカ赤ちゃんのために、お祈りをささげに参りました。 メ達、現れる。 メ達 私たち、ここにいま、参りまして。 ナ1 ああ、妖精達よ。どうか、このメカ赤ちゃんが未来末永く、健康になれるように、祈りを捧げてくれまいか。 メ達 はい、かしこまりまして。 メ1 わたくしは、強い子になられますよう。こうてつの皮膚を。 ナ3 がしゃん。がしゃん。 メ2 わたくしは、強力な戦力になりますよう。秘密兵器を。 ナ3 がしゃん。がしゃん。びー。 王達 ありがとう、妖精達よ。 メ3 わたくしは、 ラ王登場。 ラ王 あーはっはっはっはっはっ。おまえたち私を忘れてないかい。 ナ1 あっ貴様は。 全員 悪の妖精。 ラ王 ふっふっふっ。みんなをまねいておいて、私を招かないとは失礼よあんたたち。 ナ1 あれ出番違うよラ王。 ナ2 すいませんうっかりしてました。 ナ1 えっ。 ラ王 わたしにも、いのらせておくれ。そのメカ赤ちゃんに。 ナ1 あっちょっと。 ナ2 どうぞ。 ナ3 びー。 ラ王 あつ。 メ1 なりません。 メ2 そやつは悪の妖精。 メ3 そのかまえはのろい。 二人 えっ。 ナ3 びー。 ラ王 あつ。 魔女 さあ、たいへんです。悪い妖精は、自分がお祝いに呼んでもらえなかった事に腹を立てて、かわいい、メカ赤ちゃんに呪いをかけます。 ――この赤ちゃんは、16歳になったとき。 ラ王 このメカ赤ちゃんは、16才のとき。 魔女 糸つむぎの針に指をさされて。 ラ王 このメカ赤ちゃんは、16才のとき。雨に打たれて、メカはこわける。 魔女 えっ。 全員 こわける。 ナ1 どこの言葉だ。 ラ王 はっはっはっはっ 全員 あー。 雷鳴。ナ2はラ王にダッシュを付ける。ラ王とナ2去る。 ナ3 ラ王もやられた。 ナ1 しまった。赤ちゃんの設定をメカに変更したばっかりに。 ナ3 雨に打たれてこわけるなんて。そんなストーリー。 ナ1 くっそー。 ナ2ラ王 おほほほほ。 魔女 なんとかつなげないと。 メ3 わたくしにまかせて。 魔女 えっ。 メ3 姫は、16歳になって、雨に打たれて、永遠の眠りにつきます。そして傘を差してくれるやさしい男の人に会って、姫は眠りから覚めます。 ナ1 うまくつないだ。 魔女 こうして、王様は3人の妖精に、姫が16歳まで、悪い妖精に見つからないように、森の中にかくまってもらうのでした。 王 おまえ達、16歳の誕生日にはお城に戻ってきておくれ。 メ達 はい。 メ1 さあ、姫様。 メ2 私たちと メ3 悪い妖精にみつからない、 メ1 森の奥の奥深く、 メ達 さあ一緒に暮らしましょう。 魔女 姫はすくすく育ち、妖精達の楽しい16年間はあっという間に過ぎていったのでした。 ナ1 よし、眠りの森の美女のストーリー通りだ。 ナ3 ところでさあ、妖精さん達の事なんて呼べばいいのかな。一人一人名前があるんでしょ。 メ3 ええあるわ。 ナ3 ねえ、おしえてよ。 メ2 私は、悪いままはは。 ナ3 へっ。 メ2 私は性格の悪い上のお姉さん。 ナ3 えっ。 メ1 そして、私はさいあくの下のお姉さん。 ナ3 あのーこれー。 メ2 そして、あなたは、 三人 シンテレイラー。 メ達、ダッシュをつける。 ナ3 うそー。 メ2 シンテレイラー、ここをきれいにしておくれ。 ナ3 はい、お母様。 メ3 いやー、シンテレイラー、ここもきれいにしておくれー。 ナ3 ごめんなさい。お姉さま。 メ1 きゃー、ここも、きたないわーシンテレイラー。 ナ3 すいません、お姉さま。 メ2 お姉さま達、お城のパティーにいきましょう。 メ13 はい、お母様。 魔女 シンデレラに話をかえられた。 ナ1 がんばれセクシーナイト。 メ2 お城のおうしさまの今日はシックスティーンのお祝いぱりー。すなわち。 メ13 たまのこしーよー。 ナ1 なんでだ。 メ2 シンテレイラ。このへやきれいにしておきなさい。 ナ3 はい。 メ2 永遠にね。 ナ3 くっそっ。 メ達 おほほほほほほほほほほほほ。 ナ3は床を磨き始める。袖からプップッ メ3 お迎えのタクシーよお母様。 メ達 タクシー ラ王 ぷっぷっ。 ラ王はマイムでタクシーを運転しながら、あらわれる。 メ2 さあのってのって。(乗る) メ3 留守をたのむわ。(乗る) メ1 (ナ3に)しっかりやんなさい。(乗る) ナ1 ラ王、おまえ。 ラ王 (ナ1に)もう姫はおきない。 ナ1 何。 ラ王 あきらめろ。 ナ3 びー。 ラ王 あつ。 ナ3 びー。 ラ王達あわてて、いってしまう。ナ3。そこら中にビーム。 ナ3 びー。びー。びー。 ナ1 やめろ。セクシーナイト。あつ。 ナ3 もう無理よこれ以上。わたしがここで、一生、床を磨いて終わりじゃない。もうストーリーは続かない。びー。 ナ1 そんなことわからないじゃないか。 ナ3 じゃあ、どうするのよ。 ナ1 それは。(魔女を見る) ナ3 びー。びー。びー。 ナ1 やめるんだ! ナ3 ぶっこわそ。予定変更で。もう私限界。子どもの遊びにつきあうのもう疲れた。 もう、こわそ。姫の頭んなか、びー。 ナ1 おい、やめろ。姫を殺すつもりか。 ナ3 誰も困らないよ。姫がこのまま起きなくても。死んでいても。 ナ1 ばか、なんてことをいうんだ。 ナ3 みんながんばってやってきたのに、もう3人しかいないのよ3人しか。なんで。姫が起きる気がないからでしょ。いままでだって。姫のいたずらは何もかもゆるされてきたんでしょ、全部私たちが後かたづけしてきたんじゃない。許されてきたじゃない。だったら姫が起きる気がないなら。いいじゃん。姫ねかしとけば。 ナ1 今は、姫を起こすことがおれたちの仕事だ。 ナ3 あんた仕事ばかよ。 ナ1 姫を守り国を守るのが俺達の義務だ。 ナ3 国が私たちに何をしてくれたのよばか。 ナ1 ばかとはなんだばかとは。 ナ3 私の気持ちだって知ってるくせに、いつも仕事のせいにして。 ナ1 話脱線してるぞ。 ナ3 びー。びー。びー。 ナ1 そこで、ビームか。 魔女 いつまでも、(魔女ナ3を殴る) ナ3 はぶしっ。 魔女 びーびー泣くな。 ナ3 ひー。なぐったー。 ナ1 しかもぐーだった。 魔女 (本をめくりながら)シンデレラ、シンデレラ、あった。 魔女、本を読み始める。 魔女 ついに、すばらしい舞踏会のパーティー日がやってきて、継母達は出かけていきました。ふむふむ。シンデレラちゃんは、姉たちを見送っていましたが、姿が見えなくなると泣き出してしまいました。うん、ストーリー通り。 ナ1 続けるのか。 魔女 うん。 ナ3 なんで。 魔女 すると魔女が現れて、どうして泣いているのか、たずねました。―――どうしてないているんだい。 ナ3 どうして続けるの。 魔女 なくでないよ。シンデレラ。私も、昔、泣いて泣いて泣きくれた思い出があってさ。その時は、誰かに、話を聞いてほしかった様な気がするんだ。 ナ3 私はシンデレラじゃない。 魔女 どうして、そんなに泣いてるの。何がそんなに悲しいの。 ナ3 … 魔女 別にいいたくなかったら言わなくてもいいんだけど。 ナ3 それって。 魔女 ペリカン姫だって、泣いていたんだあ。 ナ3 …。 魔女 泣いてるお姫様が、最後に幸せになるのがおとぎ話のストーリーってもんじゃないの。 ナ3 でも。 魔女 でも。 ナ3 私がシンデレラになるわけじゃないもん。 魔女 もー。 ナ1 パカランパカランパカラン。 ナ3 えっ。 ナ1 パカランパカランパカラン。 ナ1、一人で、馬車と御者と従者を演じながら、 ナ1 馬車!馬車!馬車!馬車!。 魔女 (本を読みながら)なんと、メカシンデレラの前には、魔女が魔法で出した馬車と従者と御者が現れたのです。 ナ1 ギョシャ、ギョシャ、ギョシャ、ジュウシャー。ジュシャー。パカラン、馬車! ナ3 … ナ1 … ナ1しゃがむ、ナ3に乗れと… ナ3 …ミッドナイト ナ1 バシャ!。 ナ3 もう私。 ナ1 ギョシャ! ナ3 こんなんで姫に勝てないよ。 ナ1 ジュウシャ! ナ3 私重いし。 ナ1 さあ、お城の舞踏会へ。ストーリーはまだ続きます。 ナ3 ミッドナイト 魔女 いいかい、メカシンデレラ、12時までに戻ってくるんだよ。12時を過ぎると、すべては元の姿に戻ってしまうからね。 ナ3 はい。 ナ1 さあシンデレラ。 ナ3 うん。 ナ3をナ1おんぶ。 ナ3 私重いよ。 ナ1 余裕だ。 魔女 (本を読みながら)メカシンデレラは1.5トン。 ナ1 ギョシャー。 ナ1それでも走り出す。 魔女 (本を読みながら)シンデレラを乗せて、馬車はひた走る。お城へ向けて。 ナ1 馬車馬車ギョシャギョシャ。 ナ3 ねえ、ミッドナイト。 ナ1 ジュウシャジュウシャ。 ナ3 私のことさ。 ナ1 …何。 ナ3 んん。何でもない。 ナ1走る。ナ3、ナ1の首に切なくもたれる。 二人、いったん去る。 王、后、大臣、神父、ラ王、メイド達も走りながら現れる。 もちろん、全員ダッシュを付けている。 魔女 (本)馬車がお城に向けて疾走している頃。お城では、王子様の16才のお誕生日を祝う、すてきなパーリーの真っ盛り。 大臣 みなさーん。おしろのみなさーん。 全員 はーい。 大臣 お楽しみいただいてますでしょうかー。 全員 はーい。 大臣 われらが王子様のお誕生日に本日はお集まりいただきまして、誠に、誠に、ありがとーうございます。 全員 いやいやいや。 魔女 大臣は、お客人にパーリーの趣旨を話します。 大臣 ところで、今宵で王子様は16才つまり、お后を決めなければなりません。 全員 きゃー。 大臣 王子様がダンスのパートナーに選ばれたものを、この国の女王とする。 全員 きゃー。 メ2 王し様の好みのタイプは。 メ1 私ー メ3 私ー 魔女 その頃、メカシンデレラはお城の大広間にに到着。 ナ3 ガシャンガシャン。 魔女 メカシンデレラのあまりの美しさに、お城は黒山の人だかり。 全員 おほうー。 ナ3の周りに全員集合。 魔女 みんな、メカシンデレラの熱いまなざしに、めろめろです。 ナ3 ビー。 全員 あつあつあつ。 大臣 それでは、王子様もまもなくご入場なさいます。それまでみなさま、今しばらくご歓談下さい。 全員 おー。 魔女 さあ王子様の登場だ。 ナ3 (ふりかえり)あのさ王子役ってさあ。 魔女 これ。 ナ1 おれ。 ナ3 ホント。 魔女 他に誰がいるの。 ナ1 ああ。 ナ3 びー。 ナ1 あつ。 大臣 それでは、王子様の入場です、大きな拍手でお迎え下さい。 三人 えっ。 ナ2が入ってくる。 ナ3 オールナイト。 拍手。 メ達 きゃー、王子様だわー。 ナ2 やー。 メ達 きゃー。 メ1 踊ってください。 ナ2 ごめんなさい。 メ3 結婚してください。 ナ2 すいません。 メ2 好きにしてください。 ナ2 かんべんしてください。 三人 そんなー。 大臣 じゃあ、王子よ。誰がよいのだ。 ナ2 僕は、あの子がいいんです。 全員 えっ。 全員、ナ3に注目。 ナ3 オールナイト。 ナ2 僕は、君と踊りたい。 ナ3 でも。 ナ2 僕は君と踊りたい。 ナ3 でも。 ナ2 ぼくじゃだめですか。 ナ3 だめじゃないけど。 ナ2 もっと身近に、君のことを見つめている男だっているってことだよ。 ナ3 えっ。 ナ2、ナ3の腕を取る。 メ3 (本をのぞき込み)王子はシンデレラの腕を取り、愛の言葉をささやこうとします。 魔女 何。 ナ3 オールナイト、いつからあなたの腕は、こんなに毛むくじゃらになったの。 ナ2 それは、君を抱きしめて暖めるためだ。 ナ3 ねえ、オールナイト、あなたの目は、いつから、そんなに大きくなったの。 ナ2 それは、君の顔をよく見るため。 ナ3 ていうかそんなに耳大きかったっけ。 ナ2 だから君の声をよく聞くためだよ。 ナ3 基本的なこと聞くけど、なんで、あなたの口、そんな、耳までさけているの。 ナ2 それは君を、 ナ1 にげろーセクシーナイト 魔女 今度はあかずきん。 ナ2 食べてしまうためだよー。 ナ2、ナ3に襲いかかる。ナ1抜刀。かわすナ2。 ナ2、オオカミのようにうなる。 ナイト達と魔女をのこして、みなおそれおののいて逃げる。 ナ2抜刀。 ナ1 オールナイト、おれだ。ミッドナイトだ。 ナ3 セクシーナイトよ。 ナ1 気をしっかり持て。 ナ3 姫に負けちゃだめ。 ナ1 なあ思い出せよ。 ナ3 一緒にお城に入社して。 ナ1 一緒におちゃくみからはじめて。 ナ2野生のほえ声。 魔女 うるさいといってる。 ナ3 わかるの。 魔女 もはや彼の心は戻らぬ。 ナ3 でも。 ナ1 オールナイト、剣を見ろ。 ナ2、剣を見る。ナ2動きが止まる。 ナ1 そこにはってあるよね。 ナ3 私たちのプリクラ。 ナ1 一緒にUSJいったときの。 ナ2野生のほえ声。 魔女 おもいだしたーとっいっている。 ナ3 わたしなんか、10枚も張ってあるよ。 ナ1 おれなんか、ワイド版まで。 ナ3 すごい。 ナ1 オールナイト、俺達は、俺達は、いつまでも仲間だ。 ナ2野生のほえ声。 ナ3 ああ。 ナ1 伝わったんだ。 魔女 なかまなんかじゃなーい。っといっている。 二人 えっ。 ナ2野生のほえ声。 魔女 どのプリクラも、どのプリクラも、ミッドナイトのとなりはセクシーナイトだ。 二人 あっ。 ナ2野生のほえ声。 ナ2 ドリカムの3人だって、ドリカム3人だって、真ん中はいつも吉田美和だ。 ナ1 そんなこといったって。 ナ3 いまドリカムは二人なのよ。 ナ1 それ説得になってない。 ナ2野生のほえ声。 ナ2 どっちが、西川隆宏かっこキーボードだ。 ナ1 えっ。 ナ2野生のほえ声。 魔女 ねえーどーしてーすごくすごくすきなーのにー ナ1 うたうな。 ナ2野生のほえ声。 ナ2 こい。生き残った方が、中村正人かっこベースとなろう。 ナ3 がんばってミッドナイト ナ1 いいのか。いいのかこの展開。 ナ2野生のほえ声。ナ1あっさりうっかり、ナ2を切ってしまう。 ナ1 オールナイトー。しっかりしろー。おいー。 ナ2、もんどり打つ。 ナ2 夢の中でもうまくいかない。 ナ1 えっ。 ナ2 姫は起きてはいけないんだよミッドナイト。 ナ1 えっ。 ナ2 おまえもいづれわかる。 ナ1 何がわかるんだ。 ナ2 もう、次のストーリーが始まっているから。 ナ2、ふと立ち上がる。そして空を見る。 ナ2 雨だ。 ナ1 雨。 傘を差した人々が現れる。口々に「雨じゃ」「雨だ」と小さな声でいう。 メ3 坂内村にとうとう雨が降りました。姫の命と引き替えに、坂内村の人々の上に悲しみの雨がふったのです。 魔女 うっそこれ夜叉ヶ姫でしょ。 メ3 ちがいます、最初のストーリーに戻ったんです。 ナ1 最初のストーリー? メ3は本を魔女から取り上げる。 魔女 あっ。 メ3 雨にうたれて、姫は永遠の眠りにつく。 魔女 えっ ナ1 セクシーナイト!。 ナ3 ガ。シャ。ガ…ガ。体さびてる。 ナ3、停止。 二人 あー。 メ3 ああ、傘を差してくれるやさしい男の人に会えると、姫は眠りから覚めるのに。 魔女 傘だよ。傘借りて! ナ1 すいません、傘を貸してください。この子に傘を貸してください。おねがいします。傘を貸してください。 人々は傘を盾に顔を隠す。 メ3 ああ、かわいそうな彼ら。姫にたてついた大人達に傘を借りる当てはまったくありません。終わることのない永遠の雨に勝利の笑い。 全員 ぎゃーあーはっはっはっはっ。 魔女 うるさーい 全員 ぎゃーあーはっはっはっはっ。 魔女 誰かつっこめー 全員、魔女に突っ込む。ナ3、停止したまま。 ここからの会話は、ナ3とナ1の視線がしばらく絡まない。 ナ3 ねえ、私にキスしてよ。 全員 えっ。 ナ1 えっ。 魔女 … ナ3 … ナ1 おれ? ナ3 うん。 ナ1 なんでや。 ナ3 だってさあ、最後にお姫様が幸せになればいいんでしょ。ていうことは、たとえこのまま私の体は動かなくても、あなたにキスしてもらえれば。私は幸せ。ハッピーエンドストーリーは完結。姫は目覚めるみたいなー。 ナ1 な。 魔女 おお。 全員 やべー。やべー。 魔女 やつらあせってるよ。 ナ1 ここで、キスか。ここで。 ナ3 さすがの私も恥ずかしいわ。 魔女 うれしそうだ。 ナ3 もうこうなったら、ガキの姫に、大人のキスをみせてつけてやりましょう。 ナ1 ていうか、姫どころかみんなみてるよ。なあ。 魔女 まあ仕事。 ナ1 仕事っすか。 ナ3 仕事じゃイヤー。ちゃんとした気持ちでやってくれなきゃ。私幸せになんない。 ナ1 てめえ。 ナ3 自分からスキって言ってくる女はやっぱりきらい? ナ1 嫌いだ。 魔女 うお。 ナ1 それは俺達3人の絆に傷を付けるものだ。 ナ3 …うん。 ナ1 だろ。 ナ3 でも、あんたのそおいうところ私大スキ。 ナ1 … ナ3 …仕事でもいい。 間。 ナ1、ナ3の前に立つ。 全員、披露宴の客のようにどよめく。 ナ1一度し切り直し、深呼吸。魔女も深呼吸。 ナ3の顔はいつのまにか準備万端。 ナ1、向き直って、ナ3の状態にちょっと驚いてから、ナ3に近づく。 全員 ああああああああああああああああああ ナ2、ナ3に近づき、傘を差してあげる。そして、傘に隠れて、キス。 SE「ぶちゅ―――――――ポン」 ナ1 … ナ2 …(口を拭っている) ナ3 (ダッシュがついている)もう、強引なんだから… オールナイトはセクシーナイトの肩を抱く。 ナ1 おまえ達。おい。…おい。 二人 ダッシュ。 メ3 こうして、傘を差してくれるやさしい男の人に会って、シンテレラもみんなの仲間に入ります。 全員 ダッシュ。 ナ1 なめるなー。 魔女 やめなー。 ナ1、ダッシュ達に斬りかかる。かわす、ダッシュ達。 ナ1 姫、姫―――――――――――――――――――――。 あんまりじゃないですか。俺は俺は、姫に、あなたにあこがれて、親衛隊に入隊したんですよー。姫、おぼえてますか。 メカシンデレラの攻撃。SE「びー」オールナイトSE「野生の吼え声」 ナ1 なのに、俺達、3人をおもちゃにして。俺達が、どれだけ。あなたのために、姫のために…セクシー!オール! メカシンデレラの攻撃。「びー」 ナ1 うぐっ…・これ…・ オールナイトの猛獣攻撃。反撃する力もなく、倒れるナ1。 ナ1 がはあっ…これは! 魔女 しっかりしろ。 ナ1 誰のストーリーなんだ! ナ2、野生のほえ声。首をかまれ、雷鳴。 魔女 ミッドー。 ナ1はそのまま、ナ2によって傘の群に引き込まれる。 ナ1にもダッシュが付く。そして、魔女は、全員に包囲される。 神父 (本)姫はそのあまりの美しさゆえ、継母の怒りにふれ森を追放されます。 傘の群、王、后、大臣、はそのまま森の樹になる。他の7人は段舞台上。 魔女 こんどは白雪姫。 魔女、目を閉じ呪文を唱え始める。 神父 深き森の中にさまよううちに、きみはここがどこなのか、そして自分が誰なのかさえわからなくなった。 魔女 いでよ。輝けるもの達、光の粒。 杖をかかげ、森は退く。 神父 そして光の粒を追い抜き、暗黒の森をぬけた姫は7人の小人達に逢う。 7人 わーい。 7人の小人(立ちひざとなる)が魔女をかこむ。 1.メ12.メ23.メ34.ナ15.ナ26.ナ37.ラ王 魔女 みんな目を覚まして、そしてストーリーを。 そして魔女の手をつかむ。 神父 小人達は心の優しい姫をとても好きになりました。8人はとても仲の良くなり、素敵なおとぎ話を始めようとしました。 ラ王 それは夜叉ヶ姫かい。 魔女 ちがうよ。 ナ2 赤ずきん。 メ2 シンテレラ。 魔女 ちがう。 メ3 白雪姫 ナ1 親指姫 ナ3 人魚姫 魔女 だから メ1 眠りの姫を。 魔女 そう眠りの姫だよ。 神父 そして、姫の前に一人の老人が現れます。 「このりんごをおたべ、さいごのひとつを君にあげよう」 神父、りんごを、魔女に差し出す。 魔女 これは誰のつくったストーリーなんだい。 神父 … 魔女 これは姫がつくったストーリーじゃない。 神父 わかるんだね。 魔女 誰のストーリーだときいているんだ。 神父 それを、知ってはいけない。 魔女 何。 后 聞いてはいけないし。 大臣 見てはいけないし。 王 いってはいけない。 魔女 誰のストーリーだ。 神父 おまえは自分自身をうたがったことは、ないんだね。 魔女 えっ。 神父 おまえが泣いて泣いて泣きくれた昔、おまえの話を聞いてくれたのはだれだ。 魔女 ! メ3 鏡よ鏡。この世界でもっとも美しい人はだれだ。 お后 鏡よ鏡。ある国で子どもが授からなかったお后は誰だ。 大臣 そのお后のためにある村から子どもをさらってきた大臣は誰。 メ1 ワタリペリカンが冬越しにおとずれるその村。 メ2 その村は湖に沈む。 王 鏡よ鏡。その村を湖に沈めたのは人は誰。 メ3 鏡よ鏡。鏡に映っているこの人は誰。 魔女 こんどは ラ王 鏡よ鏡。この世界で核戦争をした国はどこ。 魔女 何のストーリーだ。 ナ2 鏡よ鏡。その後千年の眠りにつき、魔女となって目覚めた王国の姫は誰だ。 魔女 魔女となった姫。 メ3 この世界でもっとも美しい人。 ナ3 そしてこの世界で、最も愚かな生き物 神父 おたべ、これは、真実という真の木の実。 魔女は、りんごをうけとる。魔女、りんごをかじる。目を閉じる。 神父 そして、12時の鐘が鳴る。ごーん。ひとつ。 傘の群に囲まれていく、魔女。 王 ごーん。 神父王 ふたつ。 后 ごーん。 3人 みっつ 大臣 ごーん。 4人 よっつ メ1 ごーん。 5人 いつつ メ2 ごーん。 6人 むっつ メ3 ごーん。 7人 ななつ ナ1 ごーん。 8人 やっつ ナ2 ごーん。 9人 ここのつ ナ3 ごーん。 10人 とお ラ王 ごーん。 11人 じゅういち 傘を閉じ、姫に傅く神父以外の10人。そこには、プリンセスクラウンを付けた千年後のペリカン姫が棺に座る。 魔女 …ごーん。 神父 12番目の鐘が鳴り。すべては元の姿に戻どりました。       第2幕終了       第3幕 神父去る。魔女→姫他全員は家来的存在。大臣は大臣。 メ3 (本)このお話はフラミンゴ王国とライオン王国のあいだの深き森に実際に存在した伝説。 姫 わらわは姫じゃ 全員 ははっ。 姫 わらわはペリカン姫じゃ。 全員 ははっ。 姫 わらわは退屈じゃ。 全員 ははっ。 大臣 みなさんカバティしましょう。 全員 カバティカバティカバティ 姫得点を挙げるが。 姫 もう、わらわはカバティはあきたのじゃ。 全員 えっ。 大臣 はい、ここで姫に意見があります。 姫 ん、何なりと申せ。 大臣 わらわわらわっておかしくないですか。 姫 えっ。 大臣 わらわって和風でしょ。 全員 わふう。 大臣 なんかへんですよ。 全員 そうだそうだ。 姫 ごめん、わたしどうかしてた。もう今日から、自分のことわらわなんていわない。わらわなんて。 全員 すばらしい! 姫 これからは、おいどんっていうわおいどん。西郷ふうに。 全員 西郷ふう! 大臣 やめてください。 姫 ごめん、みんな、これ、私からみんなに。おわびのしるし。 大臣 姫、これは。 姫 チョコです。今日は、バレンタインだし。いつも、みんなに迷惑かけてるからこれ、ごめんなさいチョコ。 大臣 姫!。 全員 いただきます! 全員食べる。 姫 ねえ、ハゲ大臣、みんなにおいどんのちょこおいしいかどうか聞いて。 大臣 そんなこと、ご自分でお聞きになったら。 姫 そんなこと恥ずかしくておいどん聞けない。 大臣 みなのもの姫のチョコはどうだ。 全員 おいしいです。 姫 きゃー。 大臣 姫のチョコはおいしいぞ。 全員 いえい。いえい。 姫 おいどん、チョコにちょこっと毒を入れました。 全員 えっ。 姫 ちょこっとね。ちょこっと。ちょこにちょこっと 全員 えっ。 大臣 姫ー。どうするのです。 姫 どうしよう。だれも私のだじゃにわらわない。姫不満よ。不満。 大臣 ほんとにいれたんですか。 姫 もううそつかないって、姫生まれる前から約束したもん。 大臣 えー。 全員 げー。 姫 でも安心してみんな、毒の入ったチョコはひとつだけ。 全員 へっ。 姫 でも、誰のに入れたかわからなーい。姫どうしよう。 大臣 どうするんですどうするんです。 全員 どうするんですどうするんです。 姫 ごめん、おいどんすこし反省してる。もう反省でたおれそう。ああっ。 姫、倒れる。 全員 おお。 大臣 姫、倒れている場合じゃないでしょ。 姫 ごめん。でも大丈夫。15分で確実に症状が出るから。で確実に死ぬの。 全員 死ぬ。 姫 それかバカになるの。 全員 バカ。 姫 バカ。 全員 カバ。 姫 どうしよう、このままじゃみんなしんじゃう。どうしよう。 大臣 どうするのです。 姫 そうだ、今から、あたしがやるゼスチャーをあてて、あてたひとには、 解毒剤をあげるってことにすればいいんだわ。 全員 えっ。 姫 わたしのゼスチャーを当てた人は、なんとかたすかるわ。 全員 そんな。 姫 あてて、あててあてて…(姫、足ががくがく震える。) 大臣 寒い人。 姫 ちがう 同時に矢継ぎ早にネタをいう。 王 ギャグをはずした人。 ラ王 北の国からの田中くに江 メ1 ディスコで踊ってる人。 后 地震 メ3 かみなり ナ2 火事 ナ3 おやじ メ2 狂牛病の牛。 姫 ピポンピポンピポンピポン 姫 よかったね。あなた助かるね。あーんんっ。 姫、解毒剤入りの瓶をメ2の口に垂らす。 ナ1 ばか。 姫 はぶし。 ナ1、姫をなぐる。そして、瓶をとりあげ、大臣に渡す。 全員 あー。 姫 おいどんなぐったな。 ナ1 もし、本当に誰か死んだらどうするんですか。 姫 … ナ1 人の命は一つしかないんですよ。 姫 … ここは王として登場する。 王 姫をなぐったな。ミッドナイトよ。 ナ1 (ひざまづく)もうしわけございません。 王 もうよい。ミッドナイト。これでよいのだ。 ナ1 ははっ。 王 姫をなぐった罪はぬぐうことができない。 ナ1 えっ。 姫 おまえはおかまの部屋いきだー。 ナ1 おかまの部屋…。 ナ2とメ2が現れる。ナ1は連れて行かれる。王退場。 ナ1 やめてくれー。やめてくれー。やめてくれー。 メ3出る。 メ3 こうして、フラミンゴ王国では、 ナ1 にゃー。 メ3 …ペリカン姫のいたずらに手を焼いていたのです。誰もペリカン姫を注意することなく、姫はどんどん成長し、いたずらもそのスケールを大きくしていきました。 メ3、大臣に本を渡す。大臣、本を開き、羽ペンの先をしたでしめしながら。 日記を書き始める。 大臣 ハゲワシ大臣日記。フラミンゴ歴2002年7月28日。今日は、ペリカン姫様の16回目の誕生日である。王国は、国を挙げてのお祝いとなり、姫を乗せたバレードが、隣国ライオン王国までつづいた。途中、馬車の中で、ペリカン姫の首がとれるハプニングがあった。姫はご自分の身代わりに、自分そっくりの人形を馬車に乗せていたのだ。あわや国際問題に発展と思われましたがそうはならかった。なぜならその時姫様は、王子様と湖の畔でバカンスを楽しんでいたことがあとでわかったからである。 ペリカン姫は、砂に文字と数字を書いている。 姫 犬飼工務店150万。中川建設300万、松本セメント280万、献金。 ラ王がやってくる。後ろから忍び寄って、目隠しをする。 ラ王 なーにかいてる? 姫 不正入札業者。 ラ王 またつかまるよ 姫 誰が。 ラ王 あててみて。 姫 うんとえっと。あなた、略して、ラ王。 ラ王 りゃくすな。 姫 ごめん。 大臣 姫様とライオン王子様は、幼い頃からの許嫁であった。もちろん政略結婚。二人の間に愛などなかった。 ラ王 こいつー。収賄罪でつかまえるぞー。 姫 きゃー。 ラ王 このムネオー姫ー。まてまてまてー。 姫 あははははー。 浜辺を走り、水を掛け合う二人。 姫 この湖ね、あたしが作った湖なの。 ラ王 OH〜。 姫 うん。あなたのために。 ラ王 WAO〜。 姫 村一つ沈めて、つくったのよ ラ王 ねえあのホテルは。 姫 あれが二人のお城。 ラ王 しろー。 大臣 姫様は、フラミンゴ王国とライオン王国の県境の村を沈め湖を作り、湖の畔に二人のラブキャッスルを、お作りになられ遊ばれたのです。そのためにたくさんの賄賂を土建業者からもらい、城のもの達総出で村を訪れ、立ち退き料を渡し、村人達を立ち退かせました。それはそれは大変なことでした。 ラ王 そんな君におれはもう惚れてる。 姫 この湖とお城を、ライオン王子にささげます。はい、湖とお城の権利書。これに拇印して。 ラ王 俺の最愛の姫。(拇印する) 姫 そしてこれをたべて。 ラ王 それは。 姫 あいのちょこ。ちょこっとつくったの。 ラ王、駄洒落に笑いながら、姫からチョコをもらう。 大臣 ライオン王子はこの時知りませんでした。のちの世に、村を不法に沈めた罪、そして、不正入札に関わるすべての罪は、湖と城の所有者であられるライオン王子様に着せられ、自分が失脚することを。 姫 食べたら30秒で確実に症状が出るのー。 ラ王 へー。なんの。 姫 でも安心して、あたし、後追い自殺なんかしないから。 ラ王 わかった。 姫 あなたと結婚したかった。そろそろ、…時間ね。 ラ王 うっ。 姫 ふふ。 ラ王 うまい。 姫 えっ。 ラ王 もういっこ。 姫 へっ。 ラ王 あっ、ふるってるふるってる。(携帯)あっ、ぱぱ。うん、えっ、今夜はミサイル祭りなの。わかった、いまかえる。(携帯切る)わりぃ、かえるね。また、あしたー。 姫 うん。 ラ王、かえって行く。大臣とメ1は、演技フィールドに入る。 メ1かしづく。 大臣 湖をわたる風はつめとうございますな。 メ達 おむかえにまいりました。(おめしものをささげる) 姫 … 大臣 姫に、いままで、お仕えできて光栄でした。隣国の立派な女王となることを心よりお祈りいたしております。 姫 はげ大臣、いつのまにいたのじゃ。 大臣 やっと見つけました。仲がよろしゅうございますな。けっこうなことです。 姫 あいつか。 大臣 はい。 姫 きらい。 大臣 国のためです。 姫 わらわは何のために生まれてきたのじゃ。 大臣 …なぜ、お誕生日のパレードをすっぽかしたのです。 姫 16歳になったら、あいつと結婚しなきゃいけないからじゃ。 大臣 はい。 姫 でもごめん。 大臣 いいえ。 姫 なぜ、いつも、いつも、はげ大臣がしかりに来るのだ。 大臣 王様もお后様も、公務がお忙しゅうございます。 姫 そうかな。 大臣 はい。 姫 なあ、大臣、わらわの本当の父と母は誰なのだ。 大臣 なにをいいだすのです。 姫 はげ大臣、そなたが、私の父なのか。 大臣 いいえ。 姫 じゃあ、だれじゃ。 大臣 かえりましょう。 姫 すごい初歩的なこと聞いていいかな。 大臣 はい。 姫 どうして、A型とAB型の男女が結婚して、O型の私が生まれるのだ。 間 大臣 どこでしったのです。(メ1に)おまえ達に口止めしてあったではないか、血液型のことは。 メ1、悲しそうに首を振る 大臣 へっ、(引っかけられたことに気づき)あーっ。 姫 うそー、さいしょのひっかけであたっちゃったー。あと20種類ぐらい考えてたのに、姫がっかり。 大臣 …あの。 姫 おしえてくれないと、このチョコを食べる。 大臣 姫! 姫 30秒で確実に死ぬか馬鹿になる。 大臣 姫。 姫 ラ王は、何の変化もなかったけど。 大臣 姫。 姫 …… 大臣 …… 姫 んがあ。(食べようとする) 大臣 お后様にどうしても子供ができなかったのです。 姫 …… 大臣 ですから、私が、その。あれしたんです。 間 姫 うん、わかった。じゃあ、こんどの結婚式に本当のお父さんとお母さんもよんでよ。 大臣 …… 姫 はげ大臣、わらわの父と母を結婚式によぶのだ。 大臣 それは、…それはいくらなんでも、無理でございますよ! 姫 大臣 大臣は逃げる。メ1はずっと、お召しものをささげている。 メ1 … メ1もあわてて逃げようとする。 姫 待て、無理というのは、どおいうことじゃ。 メ1 私は、何も知りません。 姫 いわねば…(ちょこを食べようとする) メ1 … メ1は姫からふっと、チョコをうばう。 姫 あっ。 メ1 …わたくし、その…、 メ1がチョコを口に。 姫 だめー。 姫をくすぐったりして、メ1に吐かす。メ1、そのまま嗚咽。 姫 人の命は、ひとつしかないのだぞ! メ1嗚咽。 姫 そんなにわらわらにいいたくないのか。 メ1嗚咽。 姫 おねがいおしえて。 メ1 その村を…たちのかなかった夫婦の…。 姫 … メ1 城のものみな、その夫婦を説得しました。立ち退き料もたくさんに。 姫 … メ1 しかし、「娘をまっているから」と。彼らはたちのきません。 姫 娘。 メ1 さらわれた娘。 姫 …それって・・どこの村のこと、ひめ…はは…わかんない。 メ1 … メ1、湖を指す。 姫 うそじゃ。 メ1 姫様は、このケロケロ村のお生まれにあります。 姫 … メ1、去る。 棺にすわる。姫泣き出す。 ふと気づき、姫は視線をあげる。魔女が飛んできたことがわかる。 姫 あんた、箒で空を飛んできたんだね。ずいぶん遠いところから、飛んで来たんだね。星の光が雨粒みたいに降り注ぐなかを、光の粒を追い抜いてきたんだね。で、気が付いたらこのあたしのお城のてっぺんなんだ、塔のベランダで、あたしあなたにあったんだ。あたし、いっぱい泣いていてさ…あたし泣いてた・…・・あたし…・その、何のために生まれてきたのかな…・うん、わかった、目を閉じればいいんだね。 姫はそのまま棺の上で、ゆっくり眠る。大臣日記 大臣 動物歴2012年、8月7日。姫が永遠の眠りについて、10年が過ぎようとしている。姫が眠りについたあの日、同盟解消を謳ってきたライオン王国から核攻撃を受け、我が国も応戦し、そして、世界中が真っ赤になった。世界中の勇敢なナイト達は、鉄の甲冑の中で蒸し焼きになり、子どもの手を引く母親はそのまま、壁の影になった。そしてすべての上に長い雨が降り、国中の街が、海に沈み、国民達は、山に追いやられ、食べ物も底をつき、争いはいまだ絶えず、その数を減らしている。王宮には、インコ神父殿ただお一人が姫様の棺の前で祈りを捧げ続けていると聞く。今日は、姫様が作った、湖にペリカンの群がわたってきたので、久しぶりに筆を執った。 この日記も今日がおそらく最後であろう。…フラミンゴ王国に栄光あれ。 そして、姫は起きる。神父→父が現れ。姫の寝顔をみている。大臣消える。 父 よく眠れたかい。 姫 うん。 父 それはよかった。(林檎を取り出す) 姫 … 姫 ここはどこ。 父 世界の果て。 姫 私は、どのくらい寝ていたの。 父 ほんの千年。 姫 千年。 父 千年の間君が起きるのを待っていた。 姫 千年ってどれくらい。 父 人の歴史が終わるくらい。 姫 人の歴史は終わったの。 父 おわった。戦争があったから。 姫 戦争。 父 ある国がボタンを押した。そして、長い雨が降った。たくさんの湖が出来て、人はすべて水の底に沈んだ。 姫 この湖も。 父 人はこの世でもっとも愚かな生き物。 姫 …・鳥。 父 最後の一羽だ。 姫 私は誰なの。 父 その目 姫 …・ 父 おまえの母さんに似ている。 姫 母さん。 父 何も覚えていない。 姫 うん。 父 これは形見だ。母さんの 父はほうきを姫に渡す。 姫 …箒。 父 私にはあつかいかたがわからなかった。 姫 えっ。 父 そして千年の時が君の母さんの血を目覚めさせた。 姫は手に箒を取る、箒にエンジンが掛かり、少し暴れる。あわてて、箒を取り押さえてつい乗る。アイドリング。 父 彼も君のことを知っていた。 姫 この箒飛ぶ。 父 飛ぶ。光の粒を追い抜いて。 姫 光の粒。 父 それは時間の川をさかのぼるスピードだった。 姫 そしてあたしは時間の川をさかのぼって。 父 私はもう一度やり直すつもりだった。 姫 千年の時をさかのぼって。 父 ケロケロ村でもう一度三人でくらすつもりだった。 父と姫は飛ぶ。ナ2とナ3の人形が一緒に飛んでいる。 姫 ねえ、あななたちは誰。 ナ2 解説魔女1。 ナ3 解説魔女2 姫 ご苦労様。 神父、こつくりこっくりはじめる。 姫 ねえ、ねむいの。振り落とされないでね。 神父 ん、ああ。 姫 あんまり寝てないの。 神父 んー大丈夫ほんの千年ぐらいだから。 ナ2 みなさんは、赤ん坊の夜泣きに苦しんだことはありませんか。 ナ3 ほぎゃあ。ほぎゃあ。 ナ2 そういうとき、効果的な方法が、赤ん坊を乗せて、夜のドライブにでることです。 ナ3 ほぎゃあ。ほぎゃあ。 ナ2 あのエンジンの回転音と振動が、夜泣きの赤ん坊を一撃で眠らせます。 ナ3 ぐー。ぐー。 神父、こつくりこっくりはじめる。 姫 あぶない、おちるよ。おっちゃうよ。あっ。 神父落ちる。姫もバランスを失う。 二人 あっ。 ナ3 だから、寝不足の車の運転はとっても危険なんだよ。みんな気を付けてね。 神父と姫、くるっ、くるっと回る。ナ達去る。 二人 あー。 全員 あー。 全員、くるくる回りながら登場。メ2は進行係として登場。 全員 あー。 神父着地。姫も箒を立て直しランディング。 そして、ストップモーション。 姫 星の光が雨粒みたいに降り注いでる。 神父 こうして、私は、箒から、振り落とされ、君と離ればなれになってしまった。君は、墜落のショックで魔女として完全に目覚め。そのかわりすべてを忘れる。 姫は姫と対峙。 姫 どうしてそんなに泣いてるの。うん、あたし、魔女だよ。 神父 私がインコ神父になりすまし、王宮に潜り込んだ頃。 姫 いいよ。目を閉じて。うん。 姫は目を閉じる。 神父 時すでに遅く、君は、君自身を棺の中に閉じこめてしまう。 そして、眠り倒れる。ナ23が、それを担ぎ退場。そこは、王宮の間。 神父 こうして、君を追いかけ、君の脳の中まで来た。君は自分の脳の中で、自分のお葬式をして、自分で魔女役を演じて、目覚めようとしていた。 レクイエムが王国を揺るがす。 神父 これは現実という現な木の実。ダッシュのついた現実。       ナ23が戻ってくる。そこは王宮の間の葬儀。 進行係 みなさま、それでは、インコ神父様より、お祈りの言葉、です。 神父 神はすべての罪をお許しになります。私たちフラミンゴ王国の罪を、私たちの隣人の罪を、そして争える敵の罪でさえ、お許しになります。いま姫は、長い長い眠りにつきました。だれもその眠りをさまたげることなく、姫が神のお膝元にたどりつけることを、みなでお祈りましょう。アーメン。 全員 アーメン。 進行係 弔文紹介。ハゲワシ大臣お願いします。 大臣 おそれ多きかたがたから、姫様にたくさんのお悔やみの言葉が届いています。姫の死を無駄にしてはいけない。ジハードと呼ばれるこれは聖戦である。すべてのアラーの子は武器を持ち立ち上がれ。ガザ地区ラディン王。 全員拍手 大臣 姫の死によってわれわれの新しい戦争が始まるでしょう。合衆国国民よ。決してゆるしてはならない、我々が正義だ。アメリカ王国ブッシュ王。 全員拍手 大臣 ライオン王子よ、すぐ帰っておいで、もうすぐミサイル発射するから、道草せずにまっすぐ帰ってくるんだよ。家に着くまでが遠足です。ライオン王国、グレートライオン王。 ラ王 ふふふふふふふ。はははははははははは。 大臣 おしずかにおねがいいたします。ライオン王子よ。 ラ王 死ぬのが少し早かったな、ペリカン姫よ。 大臣 姫の御霊前ですぞー。 ラ王、大臣をなぐる。倒れる大臣。立ち上がる大臣、半分は言葉に出 来ない。 大臣 ○×▲□、■◇!わたくしが、■◇○×▲、あれしなければ! 王と后、ラ王の前にひざまづき、許しを請う。 大臣 えっ。 王 すいませんでした。 大臣 王よ。だめです。お立ちください。王よ。 王、大臣の取る腕を振り払い、またラ王の前に跪く。ラ王、唾を吐きかける。 ラ王 よくも偽物をつかませようとしたな。 大臣 何。 王 …すべて、ばれておりましか。 后 お許し下さい。 ラ王 いづれ、我が国の巨大な力の前に、貴国はひれ伏すであろう。 神父 人はこの世界で、もっとも愚かな生き物。 進行係 それでは、ペリカン姫様とお別れの時が近づいています。 音楽 進行係 ご出棺を前に、今回のストーリーの主人公であられます。魔女様の言葉。それでは魔女様、よろしくお願いします。       魔女が現れる。 魔女 この度は、わたくしのストーリーにおつきあいいただきまして、まことにありがとうございました。最初のお葬式から自分の夢だったなんて、私、気が付きませんでした。人は夢を見ているときに自分が夢を見るってなかなか気づかないものだなって、よくわかりました。それからダッシュがついてるみなさん。みなさんのおかげでみなさんの本心もよくわかりました。みんな自分ことでいっぱいいっぱいなんですね。みんな自分のことで、忙しくて、誰もあたしのことを考える暇なかったんですね。おやすみなさい。みなさん。私。もうたぶんおきないと思います。おやすみなさい。 進行係 それでは、御出棺です。 二人を残して、架空の棺を掲げ、人々は去る。 神父 そして、君は千年の眠りにつき、千年後私に再びまみえる。 魔女 ねえ、あなたは誰なの。 神父 …このりんごをおたべ、さいごのひとつを君にあげよう。 魔女 最後の一つ。 神父は、姫にりんごを渡す。 神父 最後に知恵の実を食べた君は、私が誰かを思いだし、世界の果てで暮らす。 魔女 それがあなたのストーリーなのね。 神父 これが最後のストーリーだ。 魔女は、りんごをもらう。そして、かじろうとして、りんごを落とす。 転がるりんごの果てに、ミッドナイトがいる。 二人の手が、りんごに触れる。次のストーリーが始まる。       ―――――――第3幕終了              終幕       二人はりんごを手にする。 ナ1 そして僕と君は、中学校生活最後の体育祭を思い出す。徒競走。借り物競。障害物競走。僕たちが実に様々な競争をして、争いをしたことを、そして、玉入競争。僕たちの玉が、放物線を描いて、青い空に吸い込まれていく。すべての争いが欲望が後悔が青い空に吸い込まれていくこれは。 魔女 玉を拾う私の手がふれた思い出。 ナ1 そして僕の手が触れた思い出。 ナ1、ダッシュを脱ぎ捨てる。 ナ1 君の名前は、ブロードヌフ・ゴ・ペリカン。我が国の王女。それが僕の本心。 魔女 ミッド。 ナ1 まだ、ストーリーは終わらない。この葬儀待ったー。 ナ1、抜刀。神父と対峙。 ナ1 姫を連れて行くのか。 神父 連れて行く。 ナ1 姫は目覚めないのか。 神父 目覚めない。 ナ1 そして、姫が目覚めなければ、世界が終わる。 神父 すべてが終わる。 ナ1 それはハッピーエンドじゃない。 神父 私は家族を失った。 ナ1 …。 神父 それは、世界が終わることに等しかった。(神父、呪文の構え。) ナ1 わかった。 ナ1抜刀。 魔女 …やめて。 神父 この戦いをみてはいけない。 魔女 やめて。 神父 これはただの私闘なんだ。 神父、呪文。「血の契約により命ずる、風と雷をまといし使者、海原より来たり、勇者の剣に宿る」 ナ1の暫。かわす神父。そして、少し切られる。 ナ1 あなたの呪文の詠唱の前に、我が剣があなたの胸を貫く。 神父 呪文は終わった。 ナ1 えっ。 神父 このあとは彼らが君と戦う。 ナ23が神父の前に現れる。 神父 いでよ魔法剣。シルフィーウィザードソード。サンダーウィザードソード ナ1 オールナイト。セクシーナイト 神父 君の剣は仲間の胸をも貫けるか。 ナ2の撃。ナ1は卒倒する。 ナ1 ぐはあ。 神父 彼のダッシュは君の胸を貫くことを望んでいる。 ナ3の撃。ナ1 神父 彼女のダッシュは君のハートを貫くことを望んでいる。 ナ1 それ意味が違うだろ。 ナ23のとどめ。ナ1はうける。たえられない。 ナ1 オールナイトセクシーナイト、やめてくれ。なんかの冗談だろ。なあ。なんで、そんな悲しい目してんだよ。俺達仲間じゃないか。 神父 そう考えていた君は、彼らのことをわかっていなかった。 ナ1 俺達仲間じゃないか―――――――。 ナ1の気合いは、二人の魔法剣を吹き飛ばす。ナ達の斬り合い。ナ1は覚悟を決める。ナ23の剣は、同時に、ナ1を貫く。 ナ1 ぐふっ。 ナ23 えっ。 ナ1 俺達は…仲間だ。 ナ2 おい。 ナ3 ミッドナイト。 ナ2 おい。 ナ1 仲間だ。 神父 君がそうすることはわかっていた。(魔女に)いこう。 魔女は目を閉じ呪文を唱えていた。 神父 おまえ。 魔女 いでよ魔法剣。ファィヤーペリカンブレイド。 ナ1 いつまでも ナ2 いつまでも ナ3 いつまでも 三人 友達だ―――――――。 ナ達は3本の剣をそのまま天に掲げる。炎が柱となって3人の上を貫いていく。 ナ達はダッシュを捨てる。 神父 なぜ手を貸す。 魔女 だって。 ナ1 オールナイト、セクシーナイトもう大丈夫か。 ナ2 大丈夫だ。 ナ3 絶好調だ。 ナ1 俺を殺そうとしときながら「大丈夫だ」「絶好調だ」なんてあったもんじゃないが、この際よしとする。 ナ23 おう。 ナ1 姫を守る。 ナ23 了解。 神父から姫の周りを固めるナ達。神父は次の呪文を詠唱し終えている。 神父 いでよ魔法剣。グレートライオンソード。 ナ1 何。 ナ2 ライオン。 ナ3 まさか。 雷鳴とともに、ラ王、登場。 ラ王 ライオン王国最強の剣。ライオンのたてかみ。 ナ達 させるかー。 ラ王 ふん。 ラ王は、たてがみ剣の柄を握る。衝撃波が一閃する。マジで吹っ飛ぶナ達。 ラ王 はははははははは。 ナ1 ならいくぞ、フラミンゴ王国最強の剣。 ナ達 おう。 ナ達ポーズ ラ王 ライオンの ナ1 必殺。 ナ達 フラミンゴ徹夜三重殺。 ラ王 たてかみ。 相打ち、ラ王、ナ達、もんどりうつ。 魔女 みんなしっかりして。 神父 もう、お休みの時間だ。 ナ1 くっそっ。 神父呪文を構える。魔女も構えようとするが、 王と后と大臣がでてくる。 魔女も呪文の構え。 神父 寝付きの悪い子だ。 魔女 呪文のスピードなら負けない。 神父 4人でいえば、4倍速。 王達、魔女に構える。そして、呪文。 魔女 こうして深い森の中をさまよった君は心の優しい人間達に出会います。 4人 えっ。 全員 わーい。 ナ達、ラ王、そして、メ13が魔女によってくる。 神父 何。 魔女 ねえ、みんな、このストーリーは静かな湖畔の森の影で誰が泣いていたストーリー。 全員口々に、「姫」「ペリカン姫」「ペリカン姫だよ」という。 魔女 違うよ。 全員 えっ。 魔女 かっこうだよ。 神父 あっ。 進行係でてくる 進行係 目覚めの歌。静かな湖畔。輪唱します。全員、ご起立下さい。 全員起立。そこは、王宮の葬儀の間。 ナ1 静かな湖畔の森の影から@もう起きちゃいかがとかっこーが泣く(  繰り返し×6) ナ2 @静かな湖畔の森の影からAもう起きちゃいかがとかっこーが泣く(同繰り返し×5) ナ3 A静かな湖畔の森の影からもう起きちゃいかがとかっこーが泣く(同繰り返し×4) ラ王 B静かな湖畔の森の影からもう起きちゃいかがとかっこーが泣く(同繰り返し×3) メ達 C静かな湖畔の森の影からもう起きちゃいかがとかっこーが泣く(同繰り返し×2) 全員 もう起きちゃいかがとかっこーが泣くかっこーかっこーかっこかっこかっこー 白昼の夢が終わった。序幕に戻る。 魔女と神父とナイト1の存在は幽体として、そこにある。 ラ王子 王よ。ペリカン姫は死んでいません、生きています。 全員 何。 ラ王子 そして、愛する男性の口づけを待っている。 后 王子よ。姫は死んでしまったのだ。 ラ王子 シー。 間。全員、棺に注目する。神父は魔女に話しかける。 神父 ここで君が目覚める。 魔女 うん。 ナ1、ストーリーに入ろうとする。神父去ろうとする。 魔女 どこへ行くの。 神父 もう一度けろけろ村の湖へ。 魔女 お母さん。 神父 ああ。 魔女 生きてるの。 神父 わからない。 魔女 お父さん。 神父 えっ。 魔女 ごめんね。 神父 … 王 いびきが聞こえるような気がする。       神父、王をみて、そして去る。 ラ王子 愛するベイベイの寝息だ。 全員 おー。 棺の周りに全員集まる。ラ王は、棺に手をかける。魔女、棺の魔法を解こうとする。ナ1がふと話しかける。 ナ1 あの。 魔女 何。 ナ1 君は、姫が寝ていた場合の千年先の未来からきたんだよね。 魔女 うん。 ナ1 ということは、姫が目覚めたら、今の、君は消えてしまうんだよね。 魔女 …うん。 ナ1 いいのか。 魔女 私が起きたら、今までのこと全部あたしにはなしてあげて。 ナ1 えっ。 魔女 何もかも全部。 ナ1 おい。 魔女 それで、あたしに何があっても、がんばれっていってあげて。 ナ1 …。 魔女 負けるなって。 ナ1 ああ。 魔女 あたしが何のために生まれてきたのか ナ1 わかった。 魔女 棺を開けたら、あなたがキスをして。 ナ1 えー。 進行係 葬儀中何いちゃついとるんですか。 二人 えっ。 后 ライオン王子よ。お戯れはそのぐらいにしてください。 全員 えっ。 后、毅然と立ち上がる。 后 いくら、本当の姫ではないとしても、これでは、あまりにかわいそうではありませんか。 大臣 お后様ー。それはー。 王 よいのだ。 后 王子殿。 ラ王 ふん。 大臣 (ラ王に)ご存じだったのですか。 ラ王 どこの村だった。 大臣 げろげろ村ともうします。 王 かえる泣くからげろげろ村。 魔女ナ1 げろげろ村…あれ。 后 たとえ、そうであっても、この子は私の娘、フラミンゴ王国のプリンセスです。 ラ王 貴国とはいくさになろうな。 后 その手をおどけなさい。 魔女 濁音だ。 ナ1 失礼します。(ナ1、棺を開ける) 全員 あっ。 間。 全員 姫がいない。 全員、唖然とする。 ナ1 あっ、手紙だ。 「ハズレBYブロードヌフ・ゴ・ペリカン」 后 あー。 王 姫はどこじゃー。 魔女 えっ。 ナ1 じゃあ、いままでの全部。 魔女 えっ。 ナ1 全部、姫にだまされていたのか。 魔女 えー。 パニック。遠くで爆音。全員、ふとしずまる。 ナ2 なんだこの音は。 ナ3 ライオン王国の方角よ。 ラ王 あっ、ふるってるふるってる。(携帯)あっ、ぱぱ。うん、えっ、ミサイル基地 が。えっ、ほうきにのったペリカン姫がミサイル基地を爆撃してる。 全員 えっ。 魔女、あわてて、袖へ。 ラ王 わかった、いまかえる。 ナ1 ペリカン姫が ナ3 ライオン王国を。 メ達 ペリカン姫様ー。 魔女 (戻ってきて)あたしの箒がない。 ラ王 きさまらの姫もなかなかやるではないか。 ラ王去る。 大臣 王様、いかがいたしますか。 王 わがフラミンゴ王国の威信にかけて、我が国はいくさをしない。 ナ2 王よ。 ナ3 王様。 王 だがしかし、姫は、守る。 大臣 ナイト達よ。出陣である。 ナ達 ははっ。 大臣 その魔女は… ナ1、ナ達と大臣に簡単に事情を説明している。その間に。 メ3 王国のあいだの深き森に実際に存在した伝説は、森を抜け、朝を迎えようとしていました。さて、この物語のつづきは、また明日。もうよい子は寝る時間でございます。おやすみなさいませ。 魔女 くっそー、あたしの箒。 メ3 あのーよろしかったら、私のをお使いくださいませ。(箒を差し出す) 魔女 えっ。 魔女 … 大臣 メイドサンよ、さがれ、若者達の出陣だ。フラミンゴ親衛隊、抜刀。前へ。 ナ達 はっ。 メ3 はい…がんばってね。 魔女 はい。 ナ1 いくぞ。 若者達 おう。       ―――――――おわり。       本作品を上演する場合は、劇団あとの祭りまでご連絡ください。 2