◆10/28 本番こうでした ロミオ登場

 

バルコニーの下に黒い人影

「飛び降りるんだ、樹里絵津徒(ジュリエット)!
大きく大きくその閉ざされた窓を開けて、
思い切りバルコニーを蹴って飛び降りるんだ!」

丁穂留徒、登場

「いいねえ、バッチシのタイミングだよ。
さすがだねえ、丁穂留徒(ティボルト)」

「ミスター奇夜比由烈徒(キャピュレット)、路美男はまだこないんですか?」

葉里巣(パリス)登場

 

葉里巣 
  「そなたは何が不足なのだ。私はそなたのためならなんでもしよう。」

樹里絵津徒 
 「話に聞く恋は、どれもみな、世界も裏返るほどのめくるめくカーニバルナイト。
  静かで平凡な幸せの落ち着いた先は、明日と昨日の区別もつかぬ
  墓穴暮らしとは言えますまいか」

奇夜氏 「お見事!」

夫人 
 「樹里絵津徒も、わけのわからない長ゼリフをいうのが
  日に日にうまくなったし、 あとはもういつでもって感じ」

そのとき玄関のベル!

 

男 「すいませーん。ハンコお願いします!」

夫人 「若いわ。思ってたのよりずっと」

樹里 「私、ロン毛の方が好みなんだけど」

 

乳母 「いらっしゃいませ」

男 「はあ?」

乳母 「お待ち申し上げておりました、ささ、ずいーっと奥へ」

一同 「…で?」

男 「…?」

丁穂留徒
  「ほら、あんたの右の方でがんばってるじゃないか約一名。
   電撃的見つめあい!」

男 「何です?それ」

うなぎや 
   「ねえねえ、路美男ってどれ?
    へえーわりかしまともっぽいじゃん」

出前持ち、いきなり抱きついてキス

男 「何すんだよおっ!!」

奇夜氏 
 「私はね、ただ物事のけじめをつけてもらいたいだけなんですよ。
  人生ってもんにドラマツルギーがあるんなら、
  もういいかげん山場の一つもこさえてくれなきゃ、
  このままじゃ私らあんまり切ないじゃありませんか」

男 「助けてくれ」

一同 「逃がすな!」

樹里絵津徒
  「私たちだって、別にあなたを痛めつけたいわけじゃないのよ。
   ね、お願い、おっしゃって。
   樹里絵津徒、そなたに会って、人生が変わったと」

男 「俺、早く戻らなきゃバイト料もらいそこねるんだよ わかってくれよ」

夫人
  「わからないのはあなたの方よ。もうそろそろこの辺で、
   どんでん返しの一つでも作ってメリハリつけるのが、
   若手劇団の常套手段じゃありませんか」

うなぎや
   「初舞台であがってんのかな。でなきゃ少し頭イカレてんじゃないの?」

 

続きは明日!

 

 

 

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第17回岐阜市民芸術祭 演劇の部
「ロミオとフリージアのある食卓」