◆10/29 本番こうでした メタモルフォース

 

神主 

 「何?頭がおかしい?それは大変じゃ。
 巫女ども、おはらいじゃ、おはらいをせい!」

巫女たち 「いえい!」

おはらいなのかステージダンスなのか、いやはや。

巫女たち

「R・O・M・I・O、ロミオ!いえい!たかさご、たかさご、たかさご、いえい!」

男 「何なんだ、こいつら」

芽怒絵津徒 (めぬえっと)
 「岐阜市金町はこがねもち神社の名誉神主、 露蓮巣(ろれんす)神主さまよ」

芽怒絵津徒 「お願い路美男、しっかりして。たかが三々九度じゃないの」

男 「貴様ら、俺をどうするつもりだ!放せ!放せよう!」

巫女 「ならばここはひとまず、路美男を檻にでも閉じ込めて
    自意識が崩壊するのを待つことになさりぬるやいかん」

乳母 「檻、カモーン!」

樹里絵津徒

  「おおお父様、お願いです。どうか路美男を責めないで。
  彼は少し疲れているだけなのよ」

乳母

   「お嬢様、お綺麗です。そうやって路美男の味方のふりを
   なすっていらっしゃるところ」

樹里絵津徒 「…」

   「待ってくれ!頼む!遊びなら遊びでいいから、
    日を改めてってことにしてくれ!

   …落ち着け、落ち着くんだ。

   (携帯で)110?来てくれるの?ほんと!ざまあみろ!
   檻に入るのはそっちだぜ!」

そして約三時間後。

 

男  「こらあ警察、時間守れ…。」

 

と、檻の外に丁穂留徒と芽怒絵津徒。

 

芽怒絵津徒 「先週の金曜日、お父様の足、踏んづけたでしょ」

丁穂留徒 「実はね、これは芝居好きのオヤジが考えた罰ゲームなんだ」

男 「そうだったのかー」

男 「すみません!」

氏 「あの二人、つまらんことを。姉さんのせっかくの見合い話なのに」

男 「そっか、ウソだったの、さっきの話」

巫女たち 「路美男だって。すっかりその気みたい。単純」

男 「ちょっと待て。すると見合いってのは…。」

巫女 「だから作り話だって言ってるじゃない」

男 「今のもまた嘘っぱちで、本当はって言うんだろ」

神主 「あーあ。すっかり混乱しきっとるわ」

男 「もう信じないぞ!」

神主 「アハハハ。少しやりすぎたかなあ!」

一同 「ぜーんぜん!」

神主

  「衣食住足りて、なお余りある、平和で平凡な毎日。
   実のところ、誰もがドラマに飢えているんじゃないかってね。」

氏 

  「私たちはみんな、元はと言えばキミと同じように
   偶然この世界に足を踏み入れた者ばかりなんだよ」

巫女 「年に一度の大舞台!第17回岐阜市民芸術祭演劇の部合同公演!」

一同 「ロミオとフリージアのある食卓 長良川純情編」

神主 「ま、君はただ君らしくしていればいいんじゃ」

男 

  「待ってくれ!一人にしないでくれ!
   もうたくさんだ!俺はもう何も考えたくないよ!」

葉里巣 「それでいいんだ…」

樹里絵津徒 

「しっかりするの、しっかり立つの!
演じさせられるのはもうたくさん。

のぼってらっしゃい、この腕を伝って!」

樹里絵津徒

「まだ何も始まっちゃいない。これからよ。
私を見て、私を抱いて、私を一人になんかしないで」

葉里巣 「路美男!こっちだ!」

男  「うるせえ!」

樹里絵津徒 

「だから叫んで、お願い叫んで、メタモルフォース!
待っていたのよ、私の路美男」

男   

「メタモル…?」

 

樹里絵津徒

「もっとよ、もっと強く抱きしめて!
 逆さまの世界観!こわれろ心臓!メタモルフォース!」

二人抱き合ってメタモルフォースと呼び交わす。

 

その叫び声にかぶさって巻き起こる怒涛のような路美男コール

 

うなぎや 「旦那さん、もうだめだよ。持ちこたえられないよ!」

葉里巣 「こりゃあただのさわぎじゃないぜ」

一同 「あああっ、こわれるうっ!」

 

続きは明日!

 

 

 

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第17回岐阜市民芸術祭 演劇の部
「ロミオとフリージアのある食卓」