公演後のひまつぶし企画

2009 8.6

こんな感じでした

〜舞台写真 後編〜


ラミィ  あなたは、事態の重要性が分かっていない!祭りの日まであと5日しかないのですよ!それをこの時期に、家に見ず知らずの者を招き入れるなど!今、アイルの身に何かあったら、ただでは済みませんよ!

父    ですから、寝ているこの人らを介抱していただけです。何もされておりませんし、この通り、アイルも無事じゃないですか!

ラミィ  当たり前です!何かあってからじゃ遅いんです!

 

 

ラミィ  やはり角はありませんね・・・何号舎の所属ですか?

クロカワ  なん・・・何?

ラミィ  所属を訪ねているのです。応えなさい。

クロカワ  所属って・・・出身地のこと?なら地球だけど?

ラミィ  (父に)どこから来たのか、知らないのですか?

父  いや・・・何分、私どもも倒れているところを拾っただけですから・・・。

 

星王  ファンクション!

 

       ラミィ、止まる。

 

星王  過去5分の全ての記録を抹消。1時間後に再起動。それまでは隣室にて待機。

 

       ラミィ、下がる。その足取りは、機械的で・・・。

 

クロカワ  ・・・アンドロイド?

 

 

星王  俺はあんたをなめている。取るに足らない存在だと思っているよ。

クロカワ !

星王  銀河連邦の基礎を築いたのは俺たちだ。あんたはその上に乗っかっているだけの、ただの公務員だよ。

クロカワ 辺境の王様風情が何を言う!

星王  それでも王だ。

クロカワ 俺は銀河連邦に所属している。所属している世界の規模が違う。

星王  確かに、違うな。あんたの世界は俺の世界よりずっと狭い。

クロカワ 何?

星王  お前は銀河連邦の一員なんかじゃないよ。宇宙船という国の中のたった一人の王だ。

クロカワ ・・・。

星王  哀れだな・・・。哀れだよ、お前は。

 

 

父  なぁ、アイル。

アイル  何?

父  そう、固く考えることはない。

アイル  ・・・。

父  何もお前は、特別なことをしに行くわけではないんだよ。食肉種として

生まれた我々が、その役目を果たす。ただ、それだけのことなんだ。

アイル  お父さん・・・。

父  何にも心配することはない。あとはあるがままでいいんだよ。

アイル  ・・・。

 

 

クロカワ、おもむろに光線銃を構え、試し撃ち。

 

発射音!

 

クロカワ  星王・・・俺は最後まであきらめない・・・


       絶対にアイルを救ってみせる・・・絶対に、だ。

 

アイル  ねぇ!

クロカワ  ・・・アイル!

アイル  どこに行ってたの?来てくれないんじゃないかって心配してたのよ?

クロカワ  え?何?・・・(歓声に)うるさいな、聞こえないじゃないか!

アイル  ちゃんと、「おいしい」って言ってよ。残したりしたら承知しないんだから!

クロカワ  だから、アイル!そこから飛び降りろ!受け止めてみせるから!君のこと、ちゃんと、守ってみせるから!

 

 

クロカワの絶叫!

 クロカワ  ・・・アイル・・・頼むよ・・・頼むから・・・「助けてくれ」って言ってくれぇ!

 

剣を高々とかざす星王・・・。

王の前に跪くアイル。


そして・・・。

 

 

クロカワ  ・・・待て。

バートン  は?

クロカワ  ・・・食べるよ。

バートン  はぁ・・・しかし・・・

クロカワ  出してくれ。

 

ひたすら、もぐもぐ噛むクロカワ。

やがて、すすり泣きし始めるクロカワ。


しかし、それでも食べるクロカワ。

バートン、静かにワインをそそぐ。

二人だけの部屋で、食事は続く。

それはまるで、儀式にも似て・・・。

 

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