600Vまでのひまつぶし企画
2006.8.16

今回はこうでした その2


 <町の葬儀>

 

瑞子 「龍ちゃん なんで死んでるのよ、ねえ、ねえ!」

社長 「瑞子ちゃん、そんなに押したら」

全員 「あああわわわわわ」

 

かんおけ、するっと落下

 

母 「きゃーーー」

瑞子 「ごめんなさいごめんなさい」

 

下で「おおおおおおおおお」と受け止めた男達の声

 

 

マチコ  「店長、今の見ました、すごいんですよ。

      みんなでダイビングキャッチして男の人たち」

瑞子   「何であんたそんなに元気なの」

マチコ  「…。」

瑞子   「龍ちゃん、最後になんて言って死んだの。

      あんた、龍ちゃんとつきあっていたんでしょ!」

 

 

マチコ 「私、龍ちゃんが死んだ電車に最後まで一緒にいたんです…。」

父   「ここにいてください。私だってこの町の人間じゃないんですよ。

     でも、この町が大好きです。マチコさんはこの町が嫌いですか。」

母   「お父さん、下に…。」

 

 

ちょっと前なら覚えちゃいるが

一年前ならちとわからねえなあ

髪の長い女だってここにゃたくさんいるからね

悪いなあ他あたってくれよ

 

父 「好きですか」

マチコ 「好きです」

フジコシ 「お母さん、下でみんな歌ってる、あっ」

 

あんた あの子のなんなのさ

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ

 

アヤ 「…昼ドラだね」

チカ 「…っていうか、龍ちゃんが死んだショックより、

    昼ドラのショックの方が大きいんだけど」

 

<信長祭り>

チカ 「これかぶって歩くのー」

瑞子 「私よりましだよ」

チカ 「私 姫がいいー」

 

ババ 「わらわが濃姫じゃー」

全員 「…はい」

 

フジコシ 「もう電車なくなっちゃうのか、黒野もなくなっちゃうのか…。」

五十嵐 「この町の人たちは誰も道を広げようとはしないですよね。

      自分の土地を手放そうとはしないですよね。

      みんなで痛い思いして、電車も車も動く町にすればいいのに、

      結局みんな自分が痛い思いする覚悟はないんですよ。」

 

母  「教えてください五十嵐さん。

    龍兄ちゃん死んでから何もかもおかしくなっちゃったんです。

    教えてください。教えてください。」

マチコ 「…あの赤いコート、何に使ったんです」

五十嵐 「どけえ!俺はこの町から降りる!」

 

 

フジコシ 「全長43.6Kmのこの線路は!」

龍 「俺の骨だーーー!」

ババ 「信長龍さまのおなーりー」

全員 「信長龍!」

 

 

龍 「じゃあ、おれちょっとこいつ連れて行くから。

   何があってもみんなでがんばれよ。

   みんなでがんばれば何とかなるから。」

全員 「…。」

 

 

フジコシ 「だから、このレールは、信長の時代から続く龍の背骨なんだ。」

全員   「そんな馬鹿な話だれも信じないよ。」

フジコシ 「この町にみんないます。みんなーーー仲良くしてよ」

 

 

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